部屋割り

「俺の部屋だ。」
いつの間にか先頭を歩いていたキセキが不意に立ち止まった。
扉には美しい彫刻が施されており、一際目立っている。
(これが騎士の部屋か……)
とアシェルは自分の部屋と比べてしまう。
そして、スラムはもっとひどいのかと思うとなんとも言えない悲愴感がアシェルの頭を渦巻いた。

キセキがニコニコしながら扉を開くと、
「よ、予想以上にきれい……」
とランナの瞳が輝いた。

なかにはやはり地図班ということで、大きな作りかけの世界地図が貼ってあり、部屋の真ん中の大きな作業机にはたくさんの筆記具や資料が散らかっている。
しかし、散らかっているのはその上の机のみで、他は美しく片付いている。
「ベッドはひとつだから……。布団とってこないとな。」
(俺の部屋きれいになりすぎだろ……)
『そうね……。』
キサラギが隣で真顔で腕を組んだ。
キセキはハハッと笑ってから、キョロキョロしている。
『なに探してるの……?』
キサラギにじとっと睨まれた。

「じゃあ、俺たちはここでお世話になりますね。」
ヒロがアシェルとキセキに微笑み、ランナの頭にフワッと手をのせる。

「じゃあ、ヒロ。夕食の時にまた。」
ランスがにっこり微笑んでヒロに手をふった。
「今度は女性陣だな。どうしようか……」
ランスは首をかしげて考えている。
「誰の騎士の部屋にいれるかってことか?」
アシェルが、頭をかきながらランスに尋ねると、ランスがうなずいた。
「あの……イクサと、クレスタの部屋はやめてくれないか……?」
ヴァンクールがきまりがわるそうに小さな声でランスに言うと、
「わかった……なにかあるんだな。」
そう言うとまたランスはうーん。と考えた。「必然的に彼女の部屋になるな。」
納得したように、ランスは足を進めた。



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