ハンクとハルモニア

「素晴らしい庭園だな。
知らない花がたくさんある。」
サギリが関心したように頷いた。
「ここは自慢の庭園だから、庭師も素晴らしいんだ。」
ランスが嬉しそうに微笑んだ瞬間、

「あ。ハルモニア、ハンクただいま。」
ランスが庭園の土に水をやっている二人に声をかけた。
『あっ!ハンクだ。懐かしいなあ。』
フレイルが嬉しそうにしたので、騎士団なのだろう。
銀髪ポニーテールの小さな女の子と、ヒロと同じくらいの身長の黒髪癖っ毛の青年がこちらに向かって歩いてくる。
「おかえりなさいませ。」
黒髪の青年はにっこり微笑んで、ランスに挨拶した。
まさに好青年とは彼のことをいうのだろう。
「ハンクただいま。」
女の子の方は多い髪を束ねたポニーテールをばっさりほどくと、ツーンとそっぽを向いた。とするとこちらがハルモニアなのだろう。
「お嬢様。お客様もいらっしゃいますよ。」
ハンクと呼ばれた青年は、困ったようにハルモニアの肩を叩いた。
「……おかえり。」
ハルモニアはランスをチラッと見ると小さく呟いた。
「ただいま。ハルモニア。」
ランスはにっこり笑うと、
「彼らはこれからこっちで働いてもらう人たちだよ。夕食の時に紹介するよ。」
と後ろの全員を振り向いた。

「なあ。なんでお嬢様がこの城にすんでんだ?」
アシェルがランスに話しかける。
ハンクがこちらを驚いた様子で見つめていた。
「ああ。ハンクは騎士団だけど、その前はこちらのハルモニアの執事をしていたんだよ。」
『ハンクは八番。魔術とナイフ、銃が得意なんだよ。』
「なるほど。」
アシェルは両方の答えに頷く。すると
「こちらではお世話になっています。
すいません銀髪のあなた……う、美しい髪ですね……。」
突然ハンクが照れたようにいい放った。

「わーお。アシェルくんは男にモテるのね。」
キセキが茶化すようにアシェルの肩をつつく。
「ベル!お前は銀髪なら誰でもいいのか!バカ!」
いままで無関心だったハルモニアが急にハンクのお腹を殴った。
ベルとはハンクのことのようだ。

「違います!お嬢様の髪が一番……お嬢様の髪色が好きなので、彼の髪も美しく見えるのです!」
ハンクは慌てて弁解する。
「もういい。髪フェチめ。行くぞ。」
ハルモニアは拗ねたように全員の隣を通りすぎる。
「お嬢様ー!」
ハンクはランスに一礼すると、ハルモニアを追って走っていった。

「騎士ってもっとお堅いイメージだったのに……」
アシェルは呆れたように微笑んだ。

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