行こうかカストレへ

それぞれが小さな孤島の上で思い思いにくつろいでいたところ、青い龍アロンダイトが出発してからまだ数分しか立っていない。
しかし、遠くから
「キィー!」
つい先程聞いたばかりのアロンダイトの鳴き声をもういちどきいた。

「アローもう帰ってきた!」
ミンティアがピョンと飛び跳ねて向こうから飛んでくるきらきらした小さな点に大きく手を振った。
その飛び跳ねる小さな姿は本当に猫のように愛らしい。

「バルムンクではカサハラから1日かかったのにね。」
ランスがヒロのとなりでクスッと微笑む。
「なんではじめからアロンダイトを来させなかったんだ?」
ヒロが不思議そうにきれいな目を真ん丸にさせる。
ランスはすごい勢いで近づいてくるきらきらした点を見つめながら
「アロンダイトはミンティア以外の言うこと聞かないからね。」
とヒロの方を向いて困ったように微笑んだ。
「なるほどね。」

ーーーーー

ゴオオオオ
という轟音ともにダイヤモンドのように美しいアロンダイトがからだの下に大きな飛行船をぶら下げてゆっくりと下降してくる。

「重そうだけど大丈夫?」
シエルが興味津々でアロンダイトに近づく。
「アローはほんとに強い子だから、大丈夫!」
ミンティアが元気よく言うのを見て、シエルはほっとした。

「みんなー!
この飛行船にのりこんで!
いまから、カストレに行くよ。」
ミンティアが後ろを振り返り、大声で叫んだ。
それをきいて、アロンダイトも飛行船の乗り口が島の端にかかるようにする。

「よし。」
アシェルは一言そう呟いて、ゆっくりと飛行船に足をかける。
それに続いてみんな続々と飛行船に乗り込む。

「ようし。行こうかカストレへ。」
飛行船の中でランスはミンティアに向かってにっこり笑った。

ミンティアは顔を赤らめてうなずく。
「アロー!カストレへ!」

「キィー!」
アロンダイトはゆっくり空に浮かび上がった。

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あきゅろす。
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