世界を知る

「ミンティア。カストレまで頼む。」
ランスはパッとミンティアの方を振り向く。
ミンティアは黙ってうなずいた。

「カストレまでは……」
シエルが先程のことを思い浮かべながら、目を大きくした。
また鯨なのか。
と、正直長旅だから疲れるのである。

「ううん。こんどは違う子でいくよ。
空を飛んでいくの!!!」
ミンティアは綺麗な目をシエルに向け、ぱちっとウインクした。
「ねえ、ミンティアの能力って……」
シエルは首を傾げると、

ミンティアは勢いよく被っているカウボーイハットを外した。
「わあ!」
隣にいたランナが大きな声をだす。
声を出したのはランナだけだが、正直他のみんなも目から鱗状態だった。

キセキが猫娘、猫娘と言っていたが、本当に猫娘だったのだ。
帽子の下には、美しい毛並みの茶色い耳が二本ピンっと立っている。

「仲間に内緒事はよくないしね。」
ミンティアはフッと笑うと、恥ずかしそうに耳をさわった。

「?!?」
アシェルは目を丸くして未だ見たことがなかった生の猫耳に絶句している。
『アシェル。さすがに僕もみたことがないよ。どういうことだろう。』
フレイルが真顔で隣で首をかしげている。

「それは……合成とかか?」
サギリが口をごもらせて恐る恐る聞く。
サギリにはファルクスカンパニーのイメージがあるのだろう。
たしかにファルクスカンパニーにいたメンバーはサラバや、ティアラの実験なら可能だろうと。

「それも能力とか?」
ヒロがキラキラした目でミンティアを見つめる。

「おいおい。ミンティアの話を聞けよ。」
キセキがフフッと笑ってミンティアの耳を触った。

すると
「わたし、アスメルの人間じゃあないから。」
とにっこり笑う。

「「へっ?」」
場が凍りついた。

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