三日の命
アシェルが城へ行くまであと3日になった。

昨日フレイルと会って、よくわからないことをたくさん聞いた。
(俺が能力者…
逃げれるかもしれない…
第一、俺はどんな風に完全なる心刀になるのかわからない。
ピカッてなるのか、
融合するのか、
または体を殺されるのか。
心刀は心の力だから肉体は必要ないもんな。)
「深く考えるのはやめよう。」

それにしても
アシェルは何をすればいいかわからなかった。
やりたいことはやった。
人に会いにいこうとおもっても、
みんなもう家にお祝いに来たりする。
正直、苛立つだけだった。

ドンドンドン
玄関とびらが強く叩かれている。

ガチャ
「はい??」
扉を開けた先に立っていたのはカレンだった。
「久しぶり…」
カレンは暗い。
「よ、よぉカレン。」
アシェルは無理矢理口の端を上に上げた。


…沈黙が何秒か続く。
何か話さないと…カレンが落ち込んでる。

「とにかく入れよ!」
カレンを招き入れて椅子に座らせる。
「ちゃんと話したかったから…」
うんとアシェルはうなずいた。

「俺は大丈夫だよ。なんか心刀にならなくてもいいかもしれないんだ。」
カレンの潤んだ目を見て言った。
「えっ!本当!?」
カレンの顔が本当に嬉しそうだ。アシェルまでつられて微笑んでしまう。
でもすぐに次に言う言葉が見つかって、真顔にもどってしまった。
「でもカレン。
仮に俺が生きたなら、
きっと会えない。
俺はこの国を出ていくから。」
カレンの顔つきが変わった。
とうとうぼろぼろと涙がこぼれた。
「わかった。アシェル…
私が騎士になってこの国を変えるの。
自由に国からでれて、本当に幸せな国にするから!
そしたらまた会えるよ。
それまで一緒に過ごしたい。」
カレンが笑った。
アシェルも自然に笑顔がこぼれた。
「ありがとう。カレン」


[*前へ][次へ#]

9/12ページ


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!