空の街、アストラシア

それぞれがゆっくり休んでいるときだった。

「アストラシア組は用意して!」
急にランナの大きな声が船内に響く。

アシェルとサギリと軌跡はさっさと出入り口へと向かった。


「了解。」
おりる支度をしながらヴァンクールは窓から外を眺める、久しぶりである。

窓の外にはあの大きな飛行場があって、街の上空を大量の飛行船が飛んでいた。そしてその向こうに美しい白を主とした街並みがつづいている。

前はあまりゆっくりはできなかった、今回もゆっくりする暇などないが…


「おりたらすぐに行くから、あんまりアストラシアにはバレたくないでしょ。」
またもや、ランナの船内放送が響いた。

そして同時進行でヴァンクールの眺めている視界が地面にだんだんと近づいて行く。


あと何十メートルというところで、ヴァンクールは窓から離れ、アシェルとサギリ。そして軌跡が待っている出入り口に向かう。


「じゃあ行ってくる。」
ヴァンクールが船内の全員に聞こえるように天井を向いて叫んだ。

それが合図となり、まだ完全に飛行船は地面に着いてはいないが、
ゴオォッ
と突風からくる轟音をたてながら、ゆっくりと飛行船の重い扉が上に開いた。


「じゃっ!行ってくるね〜。シエルちゃんっ!」
軌跡が元気よく指を額の前で動かし、そして勢いよく出入り口から飛び出して行った。

それにつづいて、サギリ、ヴァンクール、
「じゃあ」
アシェルもシエルとヒロに手を振りながらアストラシアの地へと落ちていったのだった。


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あきゅろす。
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