騎士を殺せ


「うわっ!
なんで聞こえてるんだよ!?」
(たしか心刀と主しかしゃべれないんじゃ…)

するとシエルが笑ながら
「口に出してしゃべってるからだよ〜
伝えよう。って思っただけで伝わるんだよ」

(なるほど…)
「ところで特定の人物ってだれだ?」
アシェルは聞いた。
ヴァンクールは冷凍庫から氷をとり袋に入れながら
「騎士だよ。
力のある人間が心刀を持っている。
そいつらを根絶やしにすればバレンチアから心刀をとることもなくなる。」

たしかにそうだ。
力のあるものがいるから心刀をとることになる。
騎士が死ぬ
それはカストレの負けを意味する。

ヴァンクールは氷を目にあてながら
「はっきり言って、カストレ以外の国は言ってしまえばバレンチアの味方だよ。
でもカストレにはいまだに勝てないとわかっているんだ…」

「なんでだよ…」
アシェルが聞くと
「桁違いの女がいるんだ。今回、俺はカストレに捕まって運よくその女がいなくて別の騎士と契約させられた。」
シエルはしたを向いている。
それを見てヴァンクールは
「大丈夫。
見ていたところ俺が余裕で倒せる。」

「よかった。」
シエルは胸を撫で下ろした。

「桁違いっていうのは、
俺でも全く勝つ見込みがないってこと。
一回戦ったことがあるが契約させられそうになって逃げるのでいっぱいいっぱいだった。」
アシェルはまだヴァンクールがどれぐらい強いのかわからない。
「騎士ってどれくらい強いんだ…?」

シエルが首を傾げながら、「ピンからキリまでよね。」

『僕で15人中9番目だったよ。ヴァンクールが契約させられたのは…7番かな?桁違いの女はセイカさんっていって毎日強い人間を探して旅をしている。』
フレイルが教えてくれた。フレイルが9番っていうのには驚いた。

「強い騎士を倒すためには強い仲間が何人もいる。
だから俺たちは強い人間を見つけ次第、仲間にしにいくんだ。」

するとヴァンクールは窓を指差した。
「アシェル、見ろ。
あれがお前の住んでいたカストレだよ。」

指差す方を見る。
下からは見えなかった高いところ。
本当にでかくて…

「国じゃない…」
アシェルは知らぬ間にこぼしていた。
ただの金属のかたまり。
そんな中に人々は住んでいる。




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あきゅろす。
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