"非国民"

…………

「アシェル。」
(聞こえる…俺の名前を呼ぶ声。)
フレイルの尋ねるような優しい口調

だんだんアシェルの目の前が霞んで人の形になった。
フレイルがアシェルを見ていた
「僕が先に死んでしまったね。」
直接アシェルの脳に語りかけてきている。

「いろいろ聞いたよ。
お前の言ってた"非国民"ってどういう意味なんだ?」スパイで来ていたのに、バレンチア人に殺される…

フレイルはその質問を聞いて少し目を大きくしてからうつむいた。
「バレンチアからの命令は強い人間を見つけ次第報告するっていうものなんだ。」
周りにいるヴァンクールやシエルを気にしながら続ける。

「僕は命令を遂げるためには上にいった方がいいってなって、騎士になるためにアピールをしまくった。時間はかかったけどこれが僕の一生の任務だと思って全てを注いだ。
ちゃんと任務もこなしていたし…」

そこまではよかったんだ…とフレイルは言った
「僕は戦争はどうしたら終わるか考えた。
拉致されたバレンチア人を逃がそうと頑張っても、1週間以内ぐらいに逃がせなかったら、バレンチアが攻めてくる。
まずは拉致するカストレ側をどうにかしたかった。
僕は王に相談した。
『この国の人間を使えばいい。修行している人間は山ほどいますよ』って
ごめんね。アシェル…言い出しっぺは僕なんだ。」

アシェルは複雑な気持ちになった…(正直ムカつくがこれも戦争を減らす為なのか。)

「それでも強さはバレンチア人を心刀にするよりは弱い。そこで王は5年前にバレンチアからフェアリー様を拉致した。
なぜかその時バレンチアは町の壁を破壊して入ってきて、殺戮しまくったんだ。僕は王に命令されそいつらを止めるよう言われた。
僕はびっくりした。関係のない人を殺しすぎていた。僕は夢中でとめに入ってバレンチア人を3人殺したんだ。」

「このときから"非国民"さ…」
アシェルは聞いていて悲しくなった。戦いが本能のバレンチアと世界の頂点に立ちたいカストレ。
相容れない存在…
どちらからしても邪魔な存在…

「フレイル。
俺の願いは完全なる自由だ。お前の願いは世界の戦争をなくすこと。
ヴァンクールをとにかく守らないといけないんだろ?
これで2人の願いが叶うならやらないか?」

「ありがとう。」
フレイルはうなずいた

「それからカストレの特定の人物を殺せば、バレンチアが勝って戦争が終わる。」
ヴァンクールの低い声が部屋に響いた。





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