明日にそなえて
〜ヴァンクール、シエル〜
2人は予選が終わった後、コロシアムの裏にある高級ホテルに向かった。
「予選通っただけで、こんなすごいホテルに泊まれるなんて!」
お金に敏感な二人は喜びを分かち合っている。
ホテルに着いてヴァンクールが予選通過後にもらったカードを見せるだけで、受付の女の人は「おめでとうございます!」と言って、さっさて手続きをすませてしまった。
2人はそれぞれの部屋の鍵を受け取って部屋へと向かう。
「じゃあまた明日なー」
「うん!頑張ろうねー」
ーーーー
〜アシェル、ランナ、ヒロ〜
「ねえ、あの調子だと十分優勝狙えるんじゃないかなー!」
ランナは夜道でなかなかの大声をあげる。
「ランナ!シー…」
ヒロが口の前に指を立てて辺りを見回した。
帰り道。人が多い中のこの一言にみんなランナを見ている。
ランナは目をおおきくして「あっ!」と口を押さえた。
その様子を見てヒロとアシェルはクスリと笑う。
そのまま無言で歩いていると
「「明日さー」」
アシェルとヒロが同時に口を開いた。
「ちょっとなあに〜」
ランナが2人の間に入って笑いながら交互に見る。
「アシェルさん先どうぞ、」
「えっ。あぁ、明日どうせ2人とも残れると思うから。おれは応援いかないよ。」
アシェルの言葉に前日の理由を思い出す。
「ヒロは?」
ヒロは眉をハの字にしてから
「だったら俺はまた明日にします。アシェルさんの分も応援してきますから。」
それを聞いて
「ありがと。」
アシェルは頬を掻いた。
ーそして次の日からは本戦。
それぞれがそれぞれの考え事をしながらふけていった夜だった。
[*前へ][次へ#]
[小説ナビ|小説大賞] 無料HPエムペ!