ようこそ

きっとここは屋敷の大広間なんだ。
周りの家具は古いインテリアでいかにも金持ちが住んでいる屋敷を思い浮かべる。

(幻術にかかったのか?)
ヴァンクールは銃をかまえて周りを徘徊しはじめる。
『でも前触れが無さすぎたよ。』
マリも首をかしげていた。

すると
「ようこそ!」
どこからかオリバーの陽気な声がする。

ヴァンクールが辺りを見回すと、空間の一部から急にオリバーが現れた。

パンッ

ヴァンクールは容赦なくオリバーの頭を撃ち抜く。

「うわ。いきなりなんだよ!乱暴だな。」
オリバーの頭を撃ち抜いた筈なのに、なんともない

ヴァンクールが眉間にシワをよせて睨んでいると、
「ここは俺の能力の中。だから俺は殺せません!!」

オリバーは腰に左手をあて右手をヴァンクールに指さした。
「あぁ?」

「俺の能力はゲーム。俺が考えたルールで勝負してもらう。」
ヴァンクールはさすがにイライラしていた。

パンッパンッ…
(やっぱりダメか。)

「おい!聞けよ。
ただのゲームじゃないから。」
するとオリバーの周りを先ほど撃った2発の弾が浮いている。

オリバーが右手をヴァンクールに向けると、
ビュンッ
と弾がヴァンクールめがけて飛んできた。

「くそっ」
ヴァンクールは銃弾をジャンプしてうまくかわす。

「なぁ。"ここ"は俺のテリトリーだから、ルールを守らないと、死ぬぞ。」
オリバーは腕を組んで低い声で脅す。

ヴァンクールも心刀を消して腕を組んだ。

オリバーはうんと頷いて。
「ここは俺のゲームするためのテリトリー…『]Vの時の館』だ。」
オリバーはここを]Vの時の館と言った。

(さっきまでいた森とは完全に違う場所なのか?)

「ルールは簡単!
お前が死ねば俺の勝ち。
お前がこの館にある、俺が化けているものを倒せば、お前の勝ち。
なっ。簡単だろ。」
オリバーはパチンッとウインクする。

そして壁にかかっている時計を指さした。

時計をみると、いつもは12時までの時計が13時まである。
なんだか気味が悪い。


「あとな、この屋敷は普通じゃないから。
まずは1から。
道が開く。
ひとつ。みっつ。と人と出会う
ふたつ。よっつ。と心が出会う
さいごはなあに?
13はだめだ。
悪魔が蘇る。」

そういう(歌う)とオリバーは消えてしまった。

ヴァンクールは時計を見る。
「12時30分じゃねえか。」たしかに時計は12時30分をさしていて、13時まで…

(あと35分…になるのか。)
なんで13なんだよ。

『ヴァン!時計の針を戻してみようよ。』
そういえばオリバーがそんなことを言っていた。

ジー、ジー、
針を戻すと…
(なんも起きないぞ。)


オリバーの言う通り1時に時計の短い針を合わせると
少したってから、
時計の右側の部屋がガチッといった。

(鍵が開いたのか?)
『そういえば、部屋が13あるよね。』

大広間の真ん中には大きな階段があって上の階には部屋が6つ。
下の階には部屋が6つ。
2階に上がったところに一本の廊下があることから、最後の1部屋はそこなのだろう。

ヴァンクールは意を決してひとつめの部屋の扉をゆっくりと押した。



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あきゅろす。
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