オリバー

そのころ、

ヴァンクールとオリバーもそれぞれ対峙していた。


ヴァンクールは銃をかまえて、オリバーは槍を構えている。


両者とも全く動こうとしない。

「来ないのか?」
両手で構えている銃を少し下ろしてヴァンクールは目をパチパチさせた。


オリバーはじっとヴァンクールを見ている。

ヴァンクールは首をかしげてから銃をまた上に構えた。

パンッ

乾いた音が森の中に響く。

カキンッ
オリバーは銃弾を的確に槍でひとつきにした。

(すごいな。)
正直ヴァンクールはオリバーがあの小さな的に的確に当てることにびっくりしていた。

『ヴァン。攻撃してこないね。』
マリが不思議そうに、かつ警戒しながら呟く。

(なにか企んでるな。
でもその前に倒したい。)

ヴァンクールは的確に狙うために、少し横を向いて、銃に左手を添えているような格好になった。

明らかに狙いにきているヴァンクールの構えにオリバーは警戒した。



パンッパンッパンッパンッ……

ヴァンクールは歩いて前に進みながら銃を一定に撃ち込んでいく、

(すげぇ!嫌な所をを的確に撃ってきてる。)
オリバーが頭の方へ槍を持ってきた時はすかさず、体制を崩すために足を狙ってきた。

しかしオリバーは槍を足元に持ってくることなく、足元の弾は避けていた。

なぜなら、ヴァンクールは常に頭を撃とうとしているからだ。

(俺を殺す気満々だな…)

オリバーは槍をくるりと目の前で一度回して思い切り投げた。

「ぅお!」
ヴァンクールは急にきた槍を避けるしかできない。

しかし槍を避けてしまえばこちらのもの、槍を少し横を向いて避けたあとオリバーに向かってもう一度銃をかまえる。


そのときオリバーが姿は見えなかったが
「じゃあな!」
と叫んだのが聞こえた。

一度まばたきをすると、いつのまにか周りの景色が…。

さっきまで森だったのに、今はどこからどうみても室内にいる。


オリバーがどんな能力を使ったのか…
ヴァンクールは全くわからなかった。


[*前へ][次へ#]

22/51ページ


あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!