それぞれの敵

「カレン…?」
アシェルは眉をひそめて、冷や汗をかいていた。

カレンは腰の剣を構えて
「アシェル。私、騎士になったよ。
夢が叶ったよ。」

ジリジリとアシェルに歩みよってきた

そうだ。あのとき…

――――

「騎士になって内側からカストレを変えるんだ。」

――――

(忘れていた。カレンが騎士になれば、
俺が敵になってしまうこと。)


「アシェル…。
どの国の平和にも、ヴァンクールは邪魔だから。」

カレンが近づいて来るのに対して、アシェルは後ろに下がっていった。


すると
「アシェル。変わってやろうか?」
とヴァンクールがアシェルと背中合わせになっていっう。だから後ろに下がれなくなった。

逃げるな。ということか?

「いや、大丈夫だ。俺がやる。」

アシェルその瞬間心刀を
シャンッ。
と出す


「うん。それでいい。」
カレンはうんうんと頷いた。



(この場所で戦うのはダメだな。)
アシェルはくるりと後ろを向くと、カレンに背を向けて走り出した。


カレンはクスッと笑って、しかし眉はハの字にしてアシェルを追いかけた。

――――

それを見た時雨はエージェントに合図する。

エージェントはニタッと笑って
「いいよ。おじさんやるね!僕とやる気なんだ。」


「ナメるな。しかもまだ29だ」
と冷たい眼差しをしてから森の方へ走り出す。


「オリバー!すぐ戻ってくるよ!」
エージェントはヒラヒラと手をふって、時雨のあとを追った。


――――

最終的にヴァンクールとオリバーが2人きりになったが、

ヴァンクールも2人の進んだ方向と別の森へ走った。


「りょーかい!」
オリバーは陽気に額に手を添えてから返事をして後についていった。




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