分からない。
全く以て名前様という人物は理解不能だ。
今だって僕の腰に張り付いて離れない。何故かと聞いてもへらへら笑って「命令だから」としか答えない。命令だからなんなのか、理由になってない上に意味不明だ。
「そろそろ離れてくださいませんか、お部屋の掃除が出来ないのですが。」
「んー、もーちょっとおおー…」
ベッドに俯せになって僕の腰に引っ付いて居る名前様と、そのせいで身動きが満足に出来ずベッドに腰掛けている僕。
こんな所奥様に見られたら奥様は失神してしまわれるかもしれない。
それは僕にとって喜ばしい事ではなく、頭痛の種にしかならない。
だから早く離れてほしいのだ。
「嘉音くんの腰ほそーいやわらかーい、暖かくてきもちいー。」
「…名前様、ですからそろそろ、」
「離れたくないよ。嘉音くんのことが好きなんだもーん。」
名前様がさらっと吐き出した好き、という単語に言葉を詰まらせる。名前様は感情をストレートに表現するお方だから、時々僕は戸惑ってしまう。というかはっきり言って、そういう所は苦手だ。
自分の体温が上がっていくのが分かる。
意識してしまったら最後、呼吸すら難しくなる。
「嘉音くん、照れてる!わーん嘉音くん好きだよおおー!」
「ち、違っ…離…!」
図星をつかれて余計恥ずかしくなる。もう、一秒でも早くここから逃げ出したい気持ちでいっぱいだった。
「ちゅーしよ、嘉音くんちゅー!」
「……っ!」
これ以上もう耐えられない。
僕はありったけの力を振り絞り名前様を振り払い逃げた。
熱はまだ、下がらない。
きみときみのあいするひとを大切にね
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嘉音くんは嫌いなんじゃなく恥ずかしがってるだけです。ヒロインもそれを分かっての行為です。
嘉音くんってどうやったらデレますか…
タイトルは*ハロー、プラネット。(とりささみP)様から!
20100115 のあ初季
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