公園のなかの通路や野原の周辺には、見事なまでの桜が立ち並んでいる。
それを見て、私も真里亞ちゃんもたちまち笑顔がこぼれた。
「うーうー!桜きれい!たくさーん!」
桜の木を指差して、真里亞ちゃんが半ば興奮状態ではしゃぐ。
「満開だあ。天気もとっても良いし、今日にして良かったね!」
「うん!」
今日はずっと前から計画してきたお花見に真里亞ちゃんと来ている。
桜前線は見事当たり、近所の公園の桜は全て満開。
私と真里亞ちゃんは適当な日陰にシート
を敷く。
真里亞ちゃんはお母さんに作ってもらったお弁当を、私は手作りのお菓子をシートの上に広げた。
「うっわあ、楼座ママのお弁当おいしそう…。」
「名前のお菓子もすっごく美味しそう!」
「それじゃあ食べようか。いただきまーす!」
遊びつかれたころには、もう陽が傾いていた。高台にあるこの公園からは、燃えるような夕焼けがよく見える。
夕日に咲く桜は幻想的で美しい。疲れていたせいもあり私達は暫く無言で夕焼けを見ていた。
五
時を知らせる鐘がなる。それさえも桜を幻想的にさせた。
「…帰ろっか。」
「うー。…名前。」
きっと、楽しい時間が終わってしまうのが名残惜しいのだろう。
すこし寂しそうに真里亞ちゃんが私の名前を呟いた。
「また来年も、来ようね!」
差し出された細い小指。
「うん!」
それに自らの小指を絡めて、私は
頷いた。
桜の木の下の、ちいさな約束
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ほのぼのってこれで合ってますか…
20100403 のあ初季
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