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台所一杯にチョコレートの匂いが充満する。
銀色のボールの中でどろどろに溶けたチョコレート。あとは型に流すだけで完成だ。

「それ、俺に?」

いつの間にか台所の入り口に立っていた戦人が、チョコの入ったボールを指差してにまにま笑っている。

「手伝ってくれたらあげないこともないよ。」

「なんだよそれ、素直じゃねェなー。」

「ちょっ、邪魔。」

拗ねたふりをした戦人が肩に寄りかかってくる。これじゃあ作業できない。

「ほら、ちゃんとあげるから離して?」

「…。」

返事がないことを不思議に思って横を見ると、何故か戦人は笑っていた。
…ご機嫌斜めじゃなかったのか。

「ばと、…っ!」

引き離そうとした瞬間に戦人に肩を掴まれ、後ろを向かされる。
半ば無理やり戦人と向き合う形になった。

「良いこと思いついた。」

「は?」

嫌な予感しかしないのだけれど。

(ボールに突っ込んで)チョコまみれになった指を、眼前に差し出される。

「…何ですかこの手は。」

「舐めろよ。」

「え、や…ん、むぅ…。」

抗議しようとあけた口に、指を押し込まれる。仕方なく、指についた生ぬるいチョコを舐め取る。

「…やば、エロいな。」

「はぁ…、ばっかじゃないの…!」

反抗の意を込めて指を思いっきり噛むと、痛がりはしても嫌がりはしない。

「へんたい!」

「名前がかわいいのが悪いんだよ。」

唇が触れるか触れないかくらいのギリギリの距離まで戦人の顔が迫ってくる。

たまらず、首を振って避けようとするけど顎を掴まれ固定された。

自然と見つめあい、恥ずかしい。
どちらからともなく唇が触れ合う。

「…甘いな。」

「当たり前、でしょ。」










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今年は日曜日でしたね
*バレンタインフリーでした。現在はフリーではありません。*

20100220 のあ初季

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あきゅろす。
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