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超短文


目を覚ますと、被っていたはずのタオルケットがなくなっていた。
その代わりに、ソファーの外に投げ出していた手のひらになにかが乗っている。

体を起こすと、手のひらだけじゃなく体からもカサカサと音を経てて何かが落ちた。

…折鶴?

気付くとすぐそばのテーブルで名前が折り紙をせっせと折っている。

その回りにはたくさんの折鶴と折り紙。


「…何してんですか?」

「折鶴折っているの。」

いや、それは分かるんですけどね。
俺が声を掛けても驚きもせず折る手を止めない名前。


「…なんのために?」

そう聞くと、名前はぱっと振向いてよくぞ聞いてくれました、と言わんばかりに満面の笑顔を浮かべた。

「わたしと、天草と、縁寿が幸せになれますようにって!私のかわりに天国まで飛んで神様にお願いしてもらうの!」


両手のひらにのせた一つの折鶴を、純粋無垢な笑顔で差し出す名前。

それは無理かもしれませんね。
なんて、言えなくて、目を細めて曖昧に笑った。








(果たして紙の彼らは)
(何よりも重い願いを抱えて)
(飛べるのだろうか)






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思いつき
こういうの書くの楽しいですウヒヒ

20100201 のあ初季

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