ぽたり。 私の頬を生暖かい雫が伝い、膝の上に揃えてあった手の甲に落ちた。 胸の奥が懐かしいものを見た時のような、きゅんと切なく締まる。 なんだろう、これ。 突然泣き出した私に今まで談笑していたいとこの皆が怪訝な顔になる。 「お、おい名前、どうかしたのか?」 「ば、戦人に何かされたか?」 慌てて戦人と朱志香が私の両脇に寄ってくる。心配してくれているのに申し訳ないけど、その理由が私にも分からないのだ。 戸惑って答えられずにいる私の膝に真里亞がぬいぐるみを置いて慰めてくれる。 そして私の正面に譲治兄さんもやってきた。さすが最年長の譲治兄さん、優しい物腰で、私にどうしたのかと尋ねてきた。 両手をぎゅっと握って、せかさずに優しくわらう譲治兄さんに、落ち着いてくる。 「分からない、の…。」 「分からない?」 私が言ったことを疑問系で譲治兄さんが繰り返した。 戦人に朱志香、真里亞が不安げな顔で私の事を見ている。 「なんか、笑ってる皆を見て、幸せだなあ、って思って。そしたら、急、に、胸が苦しくなって。」 泣いちゃった。 そう続ける私を、皆が見ていた。 少し恥ずかしい。 「うわっ、朱志香?」 1番最初に動いたのは朱志香。私の首に片腕を回して、私の頭を乱暴に撫で回される。 それが合図のように他の皆も私にくっついてきた。 「うーうー、真里亞もっ!真里亞も幸せ!!」 「俺もだぜ!泣いちゃうほど幸せだ!」 「みんな…。」 皆とこうしてくっつくことで生まれた一つの暖かい温もりが心に宿る。 膝の上に載っている真里亞のライオンのぬいぐるみも心無しか笑っているように見えた。 私の手を握ったままの譲治兄さんが、ゆっくりと私に話しかける。 「これからもずっと、皆で、仲良く居ようね。」 「うん!」 ゆめよさきほこれ (頬を伝い落ちる生暖かい雫にどこか覚えがあった) -------- ううううううgdgd 20100120 のあ初季 [←][→] |