undercover(210000hit記念SS・沙英ヒロ)
※沙英ヒロ表記ですが、沙英→←夏目要素が入ってます。
※ヒロさんがとてもヤンデレです。ヒロさんしかしゃべってません。
※それでもぉk!という方は↓からどうぞ!
ふと目が覚める。枕元のケータイを手にとってみれば画面の右上に“1:00”と表示されていた。起きるには早すぎる時間。
小さく身震いした。当然だろう。私は何も羽織っておらず、生まれたままの姿でいるのだから。
それは隣で寝ている沙英も同じ。もそもそと動く私に気づくことなく、穏やかな寝息をたてている。
何も、何も知らないその寝顔が愛しい。
愛しくて、愛しくて、憎らしくなる。
知ってるの。あなたが私でない、違う人に気持ちが揺らいでいること。
私もよく知ってる彼女。隣のクラスの微笑ましくなるくらい純情な彼女。私も知っている、彼女のこと。
そして、あなたと彼女が関係を持っていることも。
仰向け寝ている沙英の形のいい唇を指でなぞる。柔かいそこは本来私のための場所だけど、今は私だけのものではなくなっている。
「…ねぇ、私が気づいてないと思ってるの?」
小さく呟いて、指を下にずらしていく。鎖骨のところまでいけば私が先ほどまでの行為中に付けた痕、痕、痕。
それは私がこの人を独占していた証でもある。
でもそれは所詮私の独りよがり。
現に、最近この人は私の体に痕を付けようとしない。行為中も微かに申し訳なさそうな顔をする。
隣にいても、ひたすら遠くへ行ってしまうような感覚。
あなたはたった一人を愛し続けることはできないの?
それとも私のことはもう愛していないの?
彼女のことは遊びなの、本気なの?
触れた肌が冷たい。まるで私を拒絶しているかのよう。
「でも、そんなの関係ないわ。」
そう、関係ない。いくらあなたの心が好ましくない方向に向いていたとしても。
私は私の想いを貫いて、ぶつけて、それでもだめなら壊すだけ。
たとえあなたが傷つくことになっても、あなたを取り戻せるなら構わない。
きっと今の私をみたら誰もが間違っていると言うかもしれない。
でも私には間違いの正し方がわからないの。
訴える術も持っていない。
きっと沙英は何も知らない私を望んでいるから。
純粋で、無垢な私を望んでいるから。
私は沙英を手に入れたい。だけどおなじだけ沙英がして欲しいことをしてあげたい。
束縛したい。
自由にしてあげたい。
愛され尽くされたい。
愛し尽くしたい。
相反する感情がふつふつと体の中で沸き起こる。
自分の体が、心が、暗い、悲しい、どす黒いものにじわじわと蝕まれていくのに気がつく。
これが病んでいるということなのだろうか。
沙英の唇にそっと口付けを落とす。
また前のような二人に戻れますようにと、途方もない、悲しい祈りを込めるように。
end
あとがき
普段ほのぼのしてる人がヤンデレっていいですよねすみません短い上に明るい話が書けませんでしたorz
ななみずき曲ネタですが血だまりスケッチ一歩手前ですね。ひだまれずにごめんなさい!でもヤンデレ大好きなんですorzorzorz
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