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I just can't compare with you!(140000hit&2周年記念SS・あいおん)


※20歳同棲パロです。苦手な方は回れ右してください。
どんとこいな方は↓からどうぞ!



















ソファーで寝転がってテレビを見ていると玄関でガチャリとドアの開く音がした。




「ただいまー」
「おぉ、おかえりー。なんや今日早いなぁ」
「今日は雑誌の撮影だけだったから」
「ご飯は?」
「食べてきちゃった」
「そんなら風呂沸かしてこよか」
「うん、ありがと」




立ち上がったあたしと入れ替わるようにおんぷちゃんはソファーになだれ込んだ。


しかしあたしが寝てた場所に「あいちゃんの匂いがするー」とか言ってすり寄るのは恥ずかしいから止めて欲しい。



浴槽に栓をして、スイッチを押してお湯を入れる。
ちゃんとお湯が入っていることを確認してから蓋をしてリビングに戻った。


が、何かおんぷちゃんの様子がおかしかった。




「…おんぷちゃん…?」
「…あいちゃん」
「な、何?」
「これ、何…?」




そう言った指を指したのはテーブルの上に置かれた空のプリンのカップとスプーン。




「あ、それ?さっき食べたんやけどそれめっちゃうまかったで!」
「ふぅん…あいちゃん、食べたんだ?」
「昨日おんぷちゃんそれ食べとったやろ?もう一個残っとったから貰うたん、や、けど…」
「私、それ最後の一個残してたんだけど」
「……」




しまったと心の中でうなだれた。


おんぷちゃんの視線が突き刺さるように痛い。痛すぎる。


手に嫌な汗が滲み出てくる。




「えっと、その、ごめん」
「私楽しみにしてたのに」
「だ、だって、おんぷちゃんもう一個食べたやんっ」
「どっちも私のだもん」
「なっ、一個くらいええやん!」
「誰もあいちゃんにあげるなんて言ってないわ!」
「はぁ!?何言うてんねん!プリンくらいで!」
「ちょっと!人のもの勝手に食べておいてその言い方ないんじゃない!?」




ああ言えばこういう。ついに口論になってしまった。
二人ともすっかり頭に血が上ってしまっている。




「あいちゃんなんか知らないっ」
「勝手にしい!」
「……」
「……」




ひとしきり言い合ったあと二人とも黙ってしまった。

しかし冷静に考えればいい歳した大人二人が、プリン一個で口げんかだなんてどうかしている。


それに、こんな子どもっぽいおんぷちゃんは久しぶりに見たきがする。


そう思うと何だか笑いがこみ上げてきた。



「くっ、くくく…っ」
「なっ、何っ?」
「いやな、こんなおんぷちゃん見るんは久しぶりやから、つい…あははっ」




いきなり笑い出したあたしをおんぷちゃんは当然の如く怪訝そうな顔で見る。


しかしそのうち頭が冷えたのか、おんぷちゃんも笑うあたしを見て苦笑いをした。




「私怒ってたんだけど?」
「いや堪忍、堪忍」
「もう…どうしてくれるつもりなのかしら?」
「どないしたら許してもらえるん?」
「んー…なんでもいい?」
「あたしができることなら」
「そうね…」




人差し指を顎に当てて少し考えると、何か思いついたのか、すぐに楽しそうな顔をした。




「なら、一緒にお風呂入ってもらおうかしら?」
「えぇっ!?」




予想もしていなかった一言に思わず声が裏返る。


おんぷちゃんの目は明らかにいたずらを楽しんでいるときように輝いていた。




「い、いや、あたしもうシャワー浴びたし」
「ならもう一回入ればいいじゃない」
「ふ、二人で入ると狭いやろ」
「できないことはないでしょ?」
「う…」




あたしが返す言葉につまっていると、タイミングを見計らったように、お風呂が沸いたことをつげる電子音がピーピーと鳴った。



これほどこの電子音を憎らしく思うのは後にも先にもないだろう。




「ちょうど沸いたみたいね」
「そ、そやね…」
「あいちゃん」
「はい…」
「一緒に入ってくれるでしょ?」
「…はい」




おんぷちゃんはあたしの手をとって鼻歌混じりに脱衣所へ向かった。





結局あたしはいつもおんぷちゃんに頭が上がらないということを今改めて思い知らされた気分だ。



目の前で虚しく脱ぎ散らかされていく二人分の衣服を見て、体中の力がどっと抜けていく。



気づけば、おんぷちゃんの唇が美しい弧を描いていて、そのまま真っ直ぐあたしの唇へ押し当てられたのだった。




end




あとがき
まさかの20歳同棲パロです。(笑
おんぷちゃんはたとえあいこが相手でも一歩も引くつもりは無いようですw\(^O^)/

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