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Target(20000hit記念作品・蘭フォル蘭)
「フォルテさーん、まだですかー…?」
「ん、もうちょい」




私の催促にフォルテさんは適当に答えながら、どんどん銃の弾を入れ替えていく。



そんなやり取りがもうかれこれ三十分ほど続いている。









今から三十分前、私はミルフィーユと一緒に作ったおやつの肉まんをフォルテさんに届けに、基地内の射撃場にやって来た。




思った通り、フォルテさんは一心不乱に銃を撃ち続けていた。




弾切れを見計らって、フォルテさんに話しかけた。




「フォルテさんっ」
「ん?蘭花じゃないか。どうしたんだい?」
「ミルフィーユとおやつに肉まん作ったから届けに来たんですよぉ」
「あぁ、悪いね。じゃあそこに置いといてもらえるかい」
「え?食べないんですか?」






結構な自信作だったので、すぐにフォルテさんの感想が聞きたかった私は、フォルテさんの返答に間抜けな声を上げてしまった。





「新しい銃が手に入ったからね、慣れておきたいんだ。どうやら扱いづらそうな代物らしいからさ」
「…今すぐにですか?」
「え?うん」
「じゃあ終わるまで待ってていいですか?」
「いいけど、少しだけ時間かかるよ?」
「はい、大丈夫ですっ」





やっぱり感想がすぐに聞きたかったし、少しって言ったからきっとすぐ終わるだろうと思った。










そう、思った私が馬鹿だったのだ。








“少し”なんてどこへやら、フォルテさんはひっきりなしに銃を撃っていた。



ターゲットはどんどん増えていき、試し撃ちなんかには到底見えなかった。







まるで私がいることに最初から気づいてないよう。





そして今に至る。







「…つまんない…」



私がそう呟いても、フォルテさんは見向きもしない。




こうも長い間お預けが続くと銃がだんだん憎らしくなってくる。




「……」







そして私は思い立った。





持ってきていた肉まんのひとつを手に取り一口かじりつく。



立ち上がり、弾を入れ替えていたフォルテさんに近づいて制服の襟をぐいっと掴み、勢い良く引き寄せた。




「え!?蘭ふぁ…っ」





そのまま唇を押し付けるようにして口移しをした。




「んっ…」




すぐに唇を離す。




「…どうですか、肉まんの味は?」
「…うまいよ」



目をぱちぱちさせて驚いた表情を見せたフォルテさんだったけど、すぐにへらへら笑い出した。





「蘭花、顔真っ赤だよ?」
「な、な、フォ、フォルテさんのせいですよっ!責任取ってください…!」
「責任ねぇー…」






なんて理不尽な要求。



照れ隠しで顔を俯かせていると、顎をくいっとあげられ、いつの間にか腰に回された手に強く引き寄せられた。




「フォ…っ」




一瞬のうちに唇を奪われた。





「ふぁ…っん…」





口内で、さっきまで肉まんの味でいっぱいだったのがフォルテさんの味に変わる。



息が苦しくなったところでやっと解放された。




「…はぁっ」
「これで、責任取れたかい?」





私が好きな、にかっとする笑い方。





ホント、かなわない。





でも、やられっぱなしは不服なので少し反撃。





「…まだちょっと足りない」
「えー?」




フォルテさんが少し困った顔をする。




それでも充分楽しんでいるようだ。





「さっきまで銃に首ったけだったんですから、次は私の番ですよ?」
「あー…わかった、わかった。それじゃ…」





彼女の首に手を回して、少し背伸びした。




モノクルに自分が映る。




ぱさっとフォルテさんの帽子が落ちる音した。





end




あとがき
初GAで初蘭フォル蘭SSです。むむむむつかしい…!orz
今後に期たi(ry
蘭フォル蘭は正義!(^O^)
フリリクありがとうございました!

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