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もうちょっとメイクビリーブ

夏樹のおかげで元気を取り戻した俺は、テスト前ということで6限はしっかり出た。

先輩たちは帰ってしまったので、夏樹と二人で帰る。

「チカラさん、東郷先輩と仲直りできるといいですね?」

「……うん」

東郷先輩、めちゃくちゃ怒ってたけど許してくれるかなぁ?
もしかして取り返しのつかないことを言ってしまったのかもしれない…

「じゃあ、また明日っ」

夏樹と別れて、いつも東郷先輩と歩いている道を一人で歩いた。
思ったより、寂しい。
いつ謝りに行けばいいかなぁ…

「……ん?」
なんか、あっちの方から大声が聞こえるような…
前にもあったこの感じ。まさかとは思うけど…



「ま、真木くん!!」

前回と同じ場所で、真木くんはまた集団リンチに遭っていた。なんでだ!?
急いでイジめっ子たちの方に駆け寄る。前は東郷先輩に行ってもらったけど、いない以上は仕方ない……!!

「や、やめなよ!!真木くん痛がってるって!!」

なんの考えもなしにそう叫ぶと、男子学生が一斉にこっちを睨んだ。
こ……怖い!!
最近の中学生ってこんなに怖いのか!?

「誰だよ?アンタ」

「ま、真木くんの……知り合いですけど…」

いくら東郷先輩で耐性がついてるとは言え、こんな大人数に睨まれるとさすがに恐ろしい。

「止めにきたってわけ?良い子ぶってんじゃねぇよ」

「い、良い子ぶってなんかないです!!」

……なんであっちがタメ口で俺が敬語なんだ。でもこの中学生たち明らかに俺より強そうだし…

「ふーん……止めれるもんなら止めてみれば?」

笑いながら一人が真木くんを蹴る。
真木くんは何か言おうとしてくれてるけど、呻き声がもれるだけ。
こうなったら…

「待って!!お……俺が代わりになりますから!!それなら良いでしょ?」

苦しそうな真木くんの顔を見て、放っておけなかった。真木くんは俺と違って、強くなろうと努力してる良い子なんだ……!!

俺の提案に、イジめっ子の一人がニヤリと笑った。
「あっそう。じゃあそうしてくれよ」
隣の子が言う。
「アンタ高校生でしょ?こっちも高校生呼んでいい?兄貴とその仲間、何人か」

「えぇ…」

それは聞いてない…
高校生も来たら、いよいよ俺死ぬかもしれない。
でも仕方ないよな。ここは年上としてガマンしなきゃ。

真木くんは襟元を引っ張られて路地裏に投げ込まれた。
東郷先輩に教わった防御、使ってたかな?それにしても痛そうだ。

「誰か真木が逃げないように見張っとけよ……さて」

真木くんから目を離した瞬間、俺は既に全員に囲まれていることに気がつく。

「じゃあ、代わりによろしく」

恐怖で声も出せずにいると、目の前の一番怖い顔をした男子が唾を吐いた。
それは俺の顔に当たって、頬をつたっていく。
きったないなぁ……!!

「……とにかく…」

真木くん、なんとか隙を見て逃げてくれ!!

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あきゅろす。
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