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もうちょっとメイクビリーブ
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ところが、東郷先輩の元へ向かう途中で先輩が知らない人に話し掛けられるのが見えた。

俺は思わず足を止める。

「チカ兄?」

東郷先輩に話し掛けているのは大人っぽい女の子2人組。
あれって『逆ナン』ってやつかな…

東郷先輩は女の子たちの方を向いてるから、どんな顔をしてるのかはわからない。
でも、ずいぶん長いこと話してるような気がする…

「……東郷先輩の、変態…」

そう呟いて俺は元いた場所に引き返した。紅葉は「チカ兄?どうしたの?」と手をバタバタさせている。

「東郷先輩……やっぱりモテるんだな」

「……嫌なの?」

「うーん……ちょっと嫌、かな」

ガキっぽいよな、こういうの…
でも、俺には『海に行くな』とかいろいろ制限しといて、自分はなんだよ……って思う。

「チカ兄ちゃん、元気出してー」

「元気だよ。だいじょう…」

「中谷!!」

紅葉と同時に振り向くと、東郷先輩は困った顔で「あー……ガキの方じゃねぇ」と追い払うように手を振った。

紅葉は頬を膨らませたかと思うと、浮き輪でその辺を漂流し始める。

「……なんですか?」

「さっき、俺の方に来ようとしてただろ。なんか用があったのかと思って」

“さっき”……女の人と楽しく話してたことについての弁明は無いのかよ。

「別に、なんでもありません」

素っ気なく答えると、東郷先輩が眉をひそめた。怒りたいのはこっちの方だ……!!

「中谷……どうかしたのか?」

「なんでもないってば……紅葉の前では、ちゃんと“友達”として振る舞ってくださいよ」

当の紅葉は相変わらずその辺を漂流してる。
東郷先輩の表情が一層険しくなった。

「中谷…」

「な……ゃ、あっ!?」

東郷先輩は一歩近づいてきたかと思うと、俺の尻を思い切り掴んできた。

水の中だからバレてないかもしれないけど……公共の場で、なんてことするんだ!?

「と……東郷先輩のバカ!!セクハラバカ!!離してください!!」

「なんでだよ?友達としてスキンシップとってるだけだろ」

こ……こんなスキンシップあってたまるか!!

「中谷……隠し事はするなよ。怒るぞ」

「してなっ……や、だ…」

東郷先輩が水着の裾から中に手を差し込んできた。それどころか直接性器を触られて、俺は声を漏らしそうになる。

「中谷…」

「……せ、んぱ…」

顔が、近づいてくる。嘘だろ。俺、キスしちゃうのかな…

そう思いつつも目を閉じた、その時、

「きゃーマジかっこいいじゃん!!」

「でしょ!?ヤバくない!?声かけちゃう?」

2人で声のする方を見ると、さっきとは違う女性集団が俺たち……いや、東郷先輩を見て騒いでいた。

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あきゅろす。
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