もうちょっとメイクビリーブ
C
翌日、土曜日。
「……東郷先輩に聞きたかったんですけど」
「なんだよ?」
俺は東郷先輩の家で勉強を教えてもらっていた。やっぱり東郷先輩の教え方ってわかりやすいし、仲直りしといて良かったな。
「俺なんかの、どこが好きなんですか?」
「……はぁ?」
「あ、別に理由とかないならないで良いんですけど…」
憧れてくれるなら俺じゃなくてもいいんじゃないかって疑問は、消えなかったから。
そんなことを説明すると、東郷先輩は大きくため息をついた。
「バカかお前は……俺は誰でもいいわけじゃねぇよ」
「でも…」
「お前のこと好きな理由なら、いくらでもあるし」
「例えば?」
「……ケンカもできねぇクセに、イジメをほっとけねぇところとか」
うぅ、嫌味だ絶対…
「俺の想像もつかねぇ行動を平気でとるところとか、鈍感なところとか?」
「……褒めてます?それ」
「そうやってすぐスネるところも、可愛い」
なっ…
また恥ずかしいことを!!
「あとは……そうだな」
すると東郷先輩は、急に俺の体を押し倒してきた。
「なっ……先輩!?」
「そうやって恥ずかしがる顔とか」
東郷先輩の体が覆い被さってくる。もちろん俺は身動きがとれない。
東郷先輩は俺を見てニヤリと笑ってかと思うと、俺の首筋をゆっくり舐めてきた。
「や、せんぱっ……あ、やだっ!!」
「そうやって、感じてるクセに嫌がるところも」
愛してるよ、チカラ…
そんな東郷先輩の言葉が、耳に低く響く。なんかわかんないけど、ゾクッとする……!!
「もう、先輩……からかわないでくださいっ」
「からかってねぇよ」
東郷先輩はまた俺の首筋を舐め始める。
「あ……や、あっ…」
「中谷……可愛い…」
「や……やだっ…」
「嫌って……俺は数週間もガマンしてたんだぞ?」
うぅ……そう言われると、確かに最近断りすぎてたような…
昨日は相当助けられたし、今日くらいは応えてあげようかな?
「中谷……俺には、お前しかいねぇよ…」
「……先輩……あっ…」
とうとう東郷先輩の手が服の中に入ってきた。な、なんでこの人は順番というものを考えてくれないんだろう。
「東郷先輩……や、だ…」
「……まだ嫌なのか?」
「そうじゃなくて……先に、ちゅうして…」
「……可愛すぎ、お前…」
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