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もうちょっとメイクビリーブ
宿命とは
東郷先輩の家に来て数時間。
今まで熾烈な討論を繰り広げて……結局俺が折れた。
まさか、東郷先輩と、最後まですることになるなんて……!!

「ジャンケンで決めましょう」

「は?」

「だからその……なんて言うんですか?いれる側と、いれられる側みたいな」

東郷先輩は珍しく口をポカンと開けた。そりゃそうだ。

もう既に……仰向けになった俺の、脚を持ち上げてんだから。

「今さら……何を言ってんだ、お前は」

「だって不平等じゃないですか!!俺だってそういう機能を持って生まれてきたんですよ!!」

そうだよ。誰が決めたんだ。
東郷先輩がい……いれる側?だって!!

「……悪いけど、考えらんねぇ。いや、どう考えてもないだろ……逆は」

東郷先輩は俺の脚を持ったまま、ため息をついた。

俺だって、引き下がるもんか!!

「理由はなんですか?」

「……お前は童貞。俺は経験者。以上」

か……勝手に決め付けるな!!
そして勝手に事を進めるな!!

確かに経験はないけど…
じたばたと手足を動かして「やだやだ」と駄々をこねる俺。
東郷先輩もだんだん本気で困ってきたみたいだ。

「わかった、中谷……ジャンケンするから」
痺れを切らした東郷先輩が呟いた。

やった!!

俺、ジャンケンは強い方だと思う!!
東郷先輩が俺の上半身を起こしてくれた。

「やりましょう!!ジャンケン…」




「中谷、こういうのを宿命って言うんだぞ」

「いっ……いやだあぁぁああ!!」

ちなみに俺はグー、東郷先輩はパーを出した。
なるほど、口でも勝てないけど、拳を固めてもやっぱり東郷先輩には勝てない…

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あきゅろす。
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