もうちょっとメイクビリーブ
◇
ベッドの上に座ると、チカラが何故か正座した。
ほら、やっぱり怖いんだろ……?
今すぐ押し倒してセックスに持ち込みたいけど、チカラはそれで良いんだろうか。
そう考えると俺も手が出せない。
「……東郷、先輩…」
呼ばれて振り向くと、真っ赤な顔のチカラ。「何だよ?」と返せば、少しずつ言葉を紡ぎだした。
「ど……どうしたら、あの……興奮してくれます……か?」
……何、言ってんだこいつ…
チカラと2人きりで、しかもチカラから寝室に行こうって誘われて、俺が興奮してないとでも思ってるのか?
そう言う寸前で口を止めた。
チカラが自分なりに、俺にお礼しようとしてくれてるんだ。素直に受け取った方がいいのかもしんねぇな…
俺はチカラの腕を引いて、チカラの顔に自分の顔をぐっと近付けた。
目の前にはもっと真っ赤になったチカラの顔。
「な……なんですか?」
「バカか……ここまで来たら、わかるだろ?何してほしいか…」
チカラの後頭部を掴んで更に顔を近付ける。もう唇が触れるまで数センチの距離だ。
少しだけ待つと、唇に温かい感触。
チカラからキスしてもらうと、いつのキスの数倍気持ちが良い。
「ん……ふ、うっ…」
チカラの呼吸がいつもより苦しそうなのは、チカラが自分から激しく舌を動かしてくれてるからだ。
俺もそれに応えてチカラの口内を味わう。
しばらくして口を離すと、チカラの顔は上気を帯びて更に色気を増していた。
「……興奮、してくれましたか……?」
その上こんなことを言うもんだから、俺の欲情も抑えられなくなってくる。
いれたい。
今すぐ、チカラの中に突っ込んで、めちゃめちゃにしてやりたい。
それこそチカラが壊れて俺の名前しか呼べなくなるまで、思い切り突いてやりたい。
今まで精一杯保ってた理性が、ガラガラと崩れていく。
気が付くと、チカラの肩を掴んで押し倒していた。
「中谷、もう……後悔してもおせぇからな…」
ここまで誘ったお前が悪い。
もう、我慢できねぇ…
チカラの表情に不安の色が浮かんだけど、 俺はそれを無視してチカラの服を全て剥ぎ取る。
ネックレスを掴んで「外すか?」と尋ねると、「外さないで…」と甘えられた。
可愛すぎる…
チカラを全裸にすると、俺はベッドの脇に置いてあったローションを手に取った。
手に落ちる、ぬるついた液体。
あぁ、こんな行動さえまどろっこしい。
早く、チカラの中に…
黙って俺の動きを見つめていたチカラの脚を広げて、指を挿入した。
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