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もうちょっとメイクビリーブ

「本当に、すみませんでした…」

いくら土下座しても足りない気がする…
浮気が誤解だっただけじゃなくて、俺のためだったなんて!!
勘違いして暴走して、何してんだ俺…

「……これで信じてくれるか?俺はお前だけを、本当に愛してるって」

東郷先輩は呆れ笑いをしながらさらっと言う。
この笑顔も、俺だけの笑顔なんだ…
な、なんかすごい……安心しちゃったな。

俺は胸のネックレスをぎゅっと握った。長方形のシルバープレートには、十字のくぼみが入ってる。
シンプルでかっこいい。俺なんかより東郷先輩の方が似合うのに…

……それでも、嬉しい。
嬉しくてたまらないけど、同時に不安にもなった。
付き合ってるのに、俺は東郷先輩の愛情を受け取ってばっかりだ。しかも俺はそれを疑ったりして…

よく考えたら俺って最低だ!!

「と……東郷先輩!!」

急に大声を出されたからか、東郷先輩は目を丸くした。

「何だよ?」

「その……えっと、し…」

「し?」

「し……寝室に、行きませんか?」

東郷先輩はまた目を丸くする。
俺だってつい今まで、こんなこと言うつもりじゃなかった…

「……それは、そういう意味で言ってるのか?」

東郷先輩が遠回しに訊いてきた。当たり前だろう!!寝室って言ってるんだから…

俺が頷くと、東郷先輩が「本当に良いのか?」と念を押す。

「俺、今お礼できることって言ったら、これくらいだから…」

そう。俺ができる東郷先輩が喜ぶことってきっとこれしかない。
俺だってこうやって愛情を返してあげなきゃ…

ところが東郷先輩に肩を掴まれこう言われた。

「中谷……俺はお前に何度キスやセックスを拒まれようが、お前を嫌いになったりしねぇよ?」

「……え…」

「だから…無理にする必要なんてねぇから。お前が本当にしたい時に、言ってくれれば良いから…」

「……なっ…」

なんでそんな見え透いた嘘つくんだ。
俺はあんたが暴走したら止められない性欲を持ってるって、よく知ってる。
それなのに急に紳士ぶりやがって、どういうつもりなんだ!!

「俺が本当にしたい時なんて、永遠に訪れませんよ」

そう言うと東郷先輩は明らかに困った顔をした。

「だから、寝室に行きましょう…」

ていうか、恥ずかしいんだから何度も言わせるな……!!

東郷先輩はため息をついて一言呟いた。

「……覚悟しとけよ…」

……こ、怖い。

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あきゅろす。
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