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もうちょっとメイクビリーブ

題名も知らない洋楽が鳴りやんだ。

「東郷先輩っ……!!」

自分の声がハッキリ聞こえるようになって、俺は急に恥ずかしくなった。
それを知ってか知らずか、東郷先輩が俺のモノをしごくペースを速める。

「あっ……きもちぃっ…」

「……イくのか?」
東郷先輩の色っぽい声。

「うんっ……イく、イっちゃうの……あっ、やあぁっ!!」

東郷先輩の手に俺の精液が放たれる。
羞恥と嬉しさで、涙が滲んできた。

「東郷先輩……好き、大好きっ…」

「わかってるよ……俺も、好きだ」

かっこいい。
東郷先輩、大好き。
もう一度そう呟くと、俺は東郷先輩の胸の中で、眠りについた…



そんな夢で目が覚めた今朝。
もちろんそばに東郷先輩がいるわけもなく、落胆したままトイレに向かった。

先輩、好きだ…
言葉を交わしたこともないけれど、俺の心も体も東郷リュウ先輩のもの。
と言っても、東郷先輩はいわゆるノンケ。俺が頑張っても甲斐なんてない…

と、思っていた。つい最近までは。

「東郷先輩、おはようございます!!」

「……おう」

目の前の不快な光景。朝からなんて不運な…
東郷先輩の黒いオーラを物ともせず笑顔で挨拶する美少年。
確か名前は…

栗原夏樹。


ここ最近、東郷先輩はこの美少年と下校を共にしている。
他に東郷先輩の親友であられる黒坂昴先輩、栗原夏樹の親友の男(こいつの名前は知らない)もいる。

初めは黒坂先輩と栗原が付き合っている可能性も考えた。
だけど、たまに黒坂先輩はいないことがある。この可能性しか残っていないのだ。

確かに栗原は可愛い。俺のクラスは栗原のクラスから1番離れているけど、あいつが転校してきた時は相当話題になった。

殴ってマワすみたいな計画も持ち上がったらしいけど、東郷先輩と仲良くなったのをみて消滅したんだろうな。

「中谷、宿題は終わったのか?」

東郷先輩の声に振り返ってみると、栗原の親友が面倒そうに答える。

「あー、はい……ご迷惑かけましたがその件は忘れて下さい」

な……なんて口の効き方だ!!
お前なんて栗原の親友だから東郷先輩のそばにいられるだけの存在なんだ!!
それなのに……最低だな!!

「なんだよみんな〜俺だけ仲間はずれ?」

そう言ってやって来たのは黒坂先輩。
東郷先輩には及ばないけど、もちろんかっこいい…

「黒坂先輩、おはようございます」

「おはよー中谷、今日も良い天気だね」

「ていうかむしろ暑いですよね、ちょっと」

あれ?黒坂先輩とはよく喋るのか。
変な奴…

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