もうちょっとメイクビリーブ
中谷力の話(2)
「んっ……んーっ!!」
呼吸が苦しい。なんか、不味いし。
東郷先輩はすごく良い顔して俺の舐めるよな…
味覚障害なんじゃないの。
「はっ……すげ……気持ちいいっ…」
……ダメだ。ズル過ぎる。
東郷先輩の声エロ過ぎる。
腰つきとか、いやらし過ぎる。
ちょっとだけなら……と思って舌を動かしてみたら、それに気を良くしたのか東郷先輩は俺の口内にガンガン腰を振ってきた。
「んーっ!!」
ダメだ……やっぱり苦しい…
「くっ……チカラ……好きだ…」
まただ…
東郷先輩はあの告白から、こういう時だけ俺を名前で呼ぶようになった。
それに加えて『好きだ』とか『愛してる』とか言う。
今まで散々言えなかったくせに…
「チカラ……好きだ……俺だけ、見てろっ…」
東郷先輩は時折苦しそうに呻きながら、俺に甘い言葉をささやく。
女の子に言ってあげれば、さぞ喜ぶだろうに…
とか言いながら俺もそれ聞いて勃起してしまうんだけど。
「い……イく……チカラ…」
東郷先輩は更に腰の動きを速める。
ど……どこに出すんだろう…
東郷先輩の唸り声が聞こえたかと思うと、喉の奧が熱くなった。
というより……熱い液体が喉に当たってきた。
……最低だっ…
東郷先輩の腰を数回殴ってみるけど、東郷先輩は俺の口から抜かずに精液を出し続ける。
やっと口が自由になったかと思うと、すぐに口を手で塞がれた。
ゆっくり視線だけを上に動かすと、東郷先輩が肩を上下させながら俺を見下ろしている。
「……吐くな。飲め」
東郷先輩が俺を睨み付けた。
なんで俺が…
嫌だ!!気持ち悪い!!
涙目で首を横に振っても東郷先輩は俺の口を押さえたまま。
飲み込むのも嫌だけど……このまま口の中にあるのも嫌だ!!
意を決して東郷先輩の精液を飲み込むと、東郷先輩は手を離した。
「……チカラ…」
「さ……最低だっ!!」
後は、お決まりのパターン。
俺は泣き喚いて、東郷先輩は怒ったり困ったり。
やっとのことで東郷先輩を追い出すと、俺は洗面所に駆け込んだのだった。
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