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もうちょっとメイクビリーブ
ありえない2人の場合
ゴールデンウィークは8日。もう1日くらいあったって良いと思わねぇ?
だって俺の恋人は9人。
1人だけかわいそうじゃん!!

そんなことを考えていたけど日時の都合で5人くらいにしか会えなかった。
ごめんね、みんな。
俺って罪な男だなー…

「く、黒坂先輩っ」

そんなことを考えていた家までの帰路。
名前を呼ばれて振り向くと、見慣れた美少年が立っていた。

「あら、夏樹くんでないのー」

『俺の親友の恋人の友達』でお馴染み、夏樹くん。
私服で会うのは映画館デート以来だ。

「どこかお出かけしていたのですか?」

「うん。まぁぶらぶらと」

「僕と同じですね!!僕は図書館へ行って来ました!!」

うーん、あんまり同じじゃないと思うけどまぁいいや。

「楽しかった?連休は」

「はい!!黒坂先輩はどうでしたか?」

「俺はねぇ……あ」

話しだした瞬間に携帯が鳴った。取り出して見ると恋人の名前。
俺はそのまま電話をポケットに戻す。

「あ、電話……よろしいのですか!?」

夏樹くんはこの世の終わりか?ってくらい焦ってる。良い人だねー夏樹くんは…

「大丈夫、後で掛け直せば」

そう言ったけど夏樹くんは焦ったまんま。

俺はそんなことで怒るような人は恋人にしないんだけどな…

って言ったら夏樹くんは安心したように微笑んだ。
物分かりが良いところも素晴らしい。

「夏樹くんは聖母マリア様のようだよねぇ…」

この懐の深さ。中谷とリュウも見習うべきだって。

「そ、そんなことないですっ!!」

「いや〜良い子だよ。なんなら俺の恋人になってほしい」

「え……良いのですか!?」

……いやいや。

「いや……冗談だけどね?」
『わかってるよね?』という意味を込めて言うと、夏樹くんも焦ったように「あっ、はい!!大丈夫です!!」と返してきた。

びっくりした。本気にされちゃったのかと思った。

「じゃあ夏樹くん、また明日ね」

「はい!!さようならです!!」

夏樹くんと別れて、歩きながら電話を掛けた。

『もしもし?』

「俺も付き合えたら良いとは思うんだけどねぇ〜」

『……謝罪も無しに浮気宣言か』

「あぁ、さっきは出られなくてごめん。でもすごく良い子なんだよ」

『ふざけんな。俺と会う時間が減るだろうが』

……なんか俺の恋人リュウくんに似てきたな。

「そうだねぇ……その前に親友の恋人の友達なんだよね」

『8時に迎えに行くから』

……切るなよ。
ていうか話聞けよー。
まぁいいや。
夏樹くんとの話は、また今度。

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