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もうちょっとメイクビリーブ

「は?」

今まで東郷先輩が放った『意味わかんない発言シリーズ』の、最高峰だ。

『もう一度お前の全てが欲しい』

なんだそれ。俺の全てって何。
もう一度って?

「……わかんねぇなら、いい…」
東郷先輩はそう言って、シャワーが降り注ぐ俺の背中を撫でた。
……なんか、バカにされてる?

「東郷せんぱ……や、ぅあっ!!」

突然、耳全体を舐められた。
もうやだ、俺変な声ばっか出して…

東郷先輩の舌は俺の耳の形を調べるかのように、舌先で俺の耳の中をなぞる。

あ、やばい……俺のも反応してきた。
……ま、いいか。この人なんて最初から反応してたもんな。

なんて考えていたら、耳の中に東郷先輩の舌が差し込まれた。

「いっ!!や……あの、せんぱ…」

「……チカラ」

愛してる…

耳に唇をつけたまま囁かれたら、俺はもう動けない。
東郷先輩は俺の顎を持ち上げて唇を重ねてきた。
また、舌をいれられるのか……そう思って目を閉じると、チュ、と音を立てて唇が離れていった。

なんか、変なの…

東郷先輩はその後も啄むような短いキスを繰り返すだけ。なんか、しっくり来ないというか、なんというか…

「ん……せ、んぱい……?」

……別に舌をいれてほしかったわけじゃない。ただ、『何を企んでるのかな』と思って……そういう意味で、東郷先輩を見つめてみた。

東郷先輩は俺の目を見ると、呆れたように笑った。
「はっ……中谷、可愛い…」

嬉しくない…
全然嬉しくないって!!
東郷先輩は、何度も「可愛い」を繰り返しながら俺の体を撫でた。

肩から腕に滑らせたかと思うと、急に腹を撫でる。右手で尻を掴まれて「ひあっ」と声をあげると、左手で首すじを撫でられた。

「な……なんなんですか?」

「……中谷の肌を、堪能してる」

……もうわかんない、東郷先輩わかんない…
どう返していいか悩んでいたら、また東郷先輩の口が開いた。
「……夢みたいに、嬉しいんだ。お前の肌に、触れられることが…」

……な、なんて恥ずかしいことを…
そんなことを聞いたら、東郷先輩の指が触れるだけで俺の体はピクンと跳ねてしまう。

「中谷……?」

「だ、だって先輩が変なこと言うから……くすぐったくって…」

「……『感じてる』って言え、バカ…」

ば、バカじゃない……!!
それにこれはくすぐったいだけで、感じてるわけじゃない……と、思う…

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あきゅろす。
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