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もうちょっとメイクビリーブ

「先輩…」

「……何」

「さ……寒い、んですけど…」

……うん、だってほら、寒いし…
本当のことだしねぇ。仕方ないじゃん!?俺まだグショグショのズボン履いたままだし…

東郷先輩は俺の顔を見つめて「……悪い」と呟いたかと思うと、俺のベルトを外しにかかった。
……脱がすのはどうしてもやりたいんだ。

下着を脱がされる瞬間が一番恥ずかしいんだろうな、と思っていたけど、要らない心配だった。
東郷先輩はズボンを掴んだかと思うと、下着ごと一気に下まで下げてきたのだから。

「うわああぁぁあっ!?」
なんなんだあんた!!俺がすぐに大事なところを隠そうとすると、東郷先輩は俺を見ずにさっさとお風呂場のドアを開けて俺の背中を押した。

入れってこと?
俺は押されるままお風呂場に入る。すると東郷先輩は無言でドアを閉めてしまった。

……よくわかんないけど、ホント寒い。
きっと東郷先輩は反省してくれたんだろう。変なことされなくて良かった。

申し訳ないと思いつつシャワーの蛇口を捻る。次第にお湯が出てきたので、俺は頭からそれをかぶった。

あー幸せ!!あったかい!!
身体中がポカポカしてきた…

早めに出ないとマズいよな。
さて、どうしよう……と悩んでいると、背後でガチャリと音がした。

まさかっ!?

急いで振り返ると…
「……先輩…」
ぜ、全裸の東郷先輩が立っていた…

「……う、あ…」
やばい、直視できない…
「中谷、あったまったか?」
東郷先輩の問いに、横を向いたまま頷く。

風呂場で、男2人が全裸で向かい合ってる。なんだこの状況…
しかも、俺たちは、恋人同士なんだよな…

「う、ひゃわぁっ!?」
いきなり東郷先輩に抱き締められて、変な声をあげてしまった。
東郷先輩は耳元で呟く。

「中谷、もう……我慢できねぇ…」

は?

なんのことか聞こうとして、すぐにその意味を理解した。
俺の下腹部に、なんか、その、硬いモノが……当たってたから。

「……東郷先輩……あの、当たって…」

「……何が?」

……サドめ…
言えないに決まってる。

「言えよ……聞きたい。中谷の、口から…」

「い、嫌です…」

自分の吐く息が、東郷先輩の胸板にかかる。肌という肌全てが密着してる気がして、心臓が爆発しそうだ。

くそ、なんでこんな引き締まった体してんだ。
いちいちときめいてしまう…

「中谷…」

「なんですか?」

東郷先輩は大きく息を吸うと、一度喉をゴクリと鳴らした。
そして、とびきり低くて甘い声で、囁いた。

「もう一度……お前の全てが、欲しい…」

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