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もうちょっとメイクビリーブ

雨が降ってる。
明日も雨なら、明後日の洗濯がめんどくさい。
雨の日は何かと憂鬱だ。

憂鬱な理由ならもう一つある。
今日は土曜日。
今日と明日は、チカラに会えない。

逆に言うと、他の曜日はチカラに会うためにサボらなくなった。
そうしたら、会えない土曜と日曜が物凄く長く感じるようになった。

最近は少しおさまってきたものの、チカラが誰と休日を過ごしているのか気になっていつもムシャクシャする。

「何してんの?って電話で聞いてみりゃいいじゃん」と昴は言うけど、ストーカーみたいで気に食わない。

とにかく今日も、俺はチカラを想いながらベッドに寝転がっていた。

ピンポーン…

インターホンが鳴ったので、俺はむくりと起き上がった。
どうせ新聞の勧誘かなんかだろ……と思いそのまま玄関に直行してドアを開ける。

すると

「あっ、東郷先輩…」

愛しい恋人が立っていた。
……ずぶ濡れで。

「そ、そんなに怖い顔しなくても…」
チカラに言われてはっとした。新聞の勧誘だと決め付けていたから、睨んでいたらしい。

「んなことより、なんでそんな濡れてんだ」

チカラはヘラっと笑って「急に降ってきたので…」と言う。
天気予報くらい見ろよ。バカか……心配するだろうが。

「あの……傘、貸してほしいと思って…」

どうやらチカラは自分の家へ帰ろうとしているらしい。その前に俺の家に寄って来たということか。
傘だけ借りに?

「……そんなずぶ濡れで今さら傘さしてもおせぇだろ。とにかく中入れよ」

「いや、でも先輩に迷惑…」
「入れ」

さっきより強く睨むと、チカラはおずおずとうちに上がった。
チカラが俺を頼って家まで訪ねてくれたのは嬉しいけど、どうせならとことん甘えてほしい。

それに…

チカラは白のインナーにベストを羽織っているため、腕や胸元は雨に濡れて肌に張りついている。チカラの綺麗な白い肌が透けてて、ムラっとくる…

濡れた髪も、顔も、全部エロい。
こんな色っぽいチカラを、野放しになんかできねぇ…

「……東郷先輩?」

チカラがきょとんとした顔で俺を見つめた。
何欲情してんだ…
あー、でも今日のチカラは一段と可愛い。このまま押し倒したい…

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