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もうちょっとメイクビリーブ
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翌日。

「あ、中谷に渡したい物があったんだった」

「は?」

何故かリュウくんに反応された…
俺は買ってきたお昼ご飯をリュウに渡して、ポケットから二枚の紙を取り出す。

「もうすぐホワイトデーでしょ。俺も一応もらったから、お返し」

「え、そんな、悪いです!」

「だってリュウからはもらえないよ?」

リュウくんはホワイトデーの存在とか知らないだろうし…
って言ったらリュウはやっぱり「はぁ?」と顔をしかめた。

「えっ!?これ、昨日テレビで紹介されたレストランですよね!?」

「うん。ディナー用のチケットだから、リュウくんと二人で行っておいで」

中谷は俺の渡した券を見つめて目をぱちくりさせている。

「……あ、ありがとうございます…」

「良かったですね!チカラさん」

夏樹くんも嬉しそうだ。

「いや、やっぱりお節介はやめられないよねぇ」

むしろ趣味みたいなものだな。
これはもう…

「じゃあ俺これから彼女とデートだからバイバイ」

「え、じゃあこれを渡すためにわざわざ……?」

「趣味だから」

明日はまた、別の彼氏とデートが待ってる。こんなに幸せなのに、俺はリュウに執着してしまう。
この想いは、きっと誰にもわからないんだろうなぁ。


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