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もうちょっとメイクビリーブ
チカラ
とかなんだか、そういう出来事があったからってプレゼントをあげなくてもいい理由にはならない気がする。

あの後てっちゃんに電話して陳謝した時も「何にしたのか今度報告しろよ」って言われたし、やっぱり何かはあげなければ…

「そういや、中谷もうすぐリュウの誕生日だって知ってた?」

「えっ!?あ、まぁ…」

昨日のことを思い出してドキッとした。
黒坂先輩は「じゃあ良かった」とニコニコ笑っている。

「もうすぐなんですか!東郷先輩、おめでとうございますっ!」

夏樹の言葉を東郷先輩はいつも通りシカトしていた。
最低だな…

「チカラさん、お二人でお祝いするんですか?」

「あ、プレゼントを……えっと」

「プレゼント?」

「俺は何かあげたいんだけど、東郷先輩はいらないって…」

歯切れの悪い俺の言葉に黒坂先輩が反応した。

「え、リュウくんそんなこと言ったの?」

「言った。言ったけどお前には関係ねぇだろ」

黒坂先輩が「関係ない」で引き下がるわけもなく、俺の方に寄ってきた。

「中谷、俺が教えてあげよっか?リュウくんの欲しい物」

「え、じゃあ教えてほしいです」

黒坂先輩が内緒話の体勢になって、小声でコソッと囁いた。

「……えぇ〜本当ですか?」

「本当だって」

「おい、何を言ったんだお前は…」

黒坂先輩の教えてくれた内容はにわかには信じがたい。でも、親友の黒坂先輩が言うならそれなのかも…

「どんな物だったんですか?チカラさんっ」

「うーん……なんか、変態っぽい…」

夏樹にも耳打ちして教えると、夏樹は
「あぁ……そうですね。変態というか……素敵です!」
とフォローしてくれた。

「リュウくんは変態だよね?中谷の手首が赤くなってるのが何よりの証拠」

「……ほっとけ」

黒坂先輩と東郷先輩の会話はいつもよくわからない。
けど、黒坂先輩の言葉を信じてそれにしてみようかな…

「……じゃあそれにしますっ!」

「やったねリュウ。誕生日が楽しみだー」

「チカラさん、誕生日プレゼント決まって良かったですね!」

「うん」

確かに。
本当に東郷先輩がこんな物で喜んでくれるかわからないけど、決まって良かった。

――初めて迎える、東郷先輩の誕生日。どんな日になるんだろうか?


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