もうちょっとメイクビリーブ
リュウ
俺はいつも、チカラを首輪で繋いでおきたかった。
何があっても俺から逃げられないようにして、他の奴が見ることも触れることもないように、俺のそばに置いておきたかった。
手錠なんかより、もっと強い物で、チカラのことを縛っておきたかった。
「東郷……先輩っ…」
小さくチカラの声が聞こえる。さっきからずっと同じ距離で、チカラが俺を追いかけているんだ。
それでも振り返るわけにはいかない。
振り返ったら、チカラのことを傷つけてしまいそうで怖い。
脳裏に焼きついて消えない。チカラが俺の知らない男と笑いあっていた瞬間。
どんなに「好きだ」って叫んでも、チカラは俺以外の奴を選ぶのか…
「先輩、待ってくださいっ…」
家の鍵を開けていると、チカラがまた俺の裾を掴んだ。
速く歩いた息切れと、嗚咽を我慢しているのが混じって呼吸がひどく乱れている。
「待って……あ、あやま……謝らせて、くださいっ…」
「……別に、いらねぇよ」
チカラは子供みたいに首を振って抵抗する。
どうしようもない気持ちになって、俺はチカラの腕を掴むとムリヤリ家の中に引き入れた。
******
「先輩っ……待って、話…」
話を聞く気なんて初めから無かった。
チカラをベッドの上に乗せて、そのまま押し倒す。
チカラの真っ白な首筋に吸いついて、痕をつけた。
「や、やめてっ……先輩…」
「……は?」
何か言い返してくるかと思ったけど、チカラはよっぽど怖いのか黙ってしまった。
それでも、手で俺の体を押し返そうとしてくる。
俺は、結局あれを使うのか……?
「……せんぱい……?」
ベッドの下にあった手錠を手探りで掴むと、素早くチカラの片手に繋いだ。
チカラは思いもよらない物の登場に小さく悲鳴をあげる。
両腕を持ち上げて手錠を一度ベッドの柵に通す。そのままもう片方の手に手錠をかけると、チカラの腕は下がらないようになった。
「やだ……は、外してください…」
「……後でな」
「ほ……本当に?」
答える前にチカラの下の服を脱がせた。
案の定、チカラは自分のモノを隠そうと身をよじらせる。
「中谷……この体で、他の男をイかせようとしてたんだろ?」
「ち、違うっ……!」
涙を溜めた瞳、震える体。
全部、俺が独占したいのに…
どうしていつも、俺じゃない奴を選ぶんだ。
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