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もうちょっとメイクビリーブ
・・・・・・
「あ、おみくじ!おみくじ引きましょうっ」

またも興味のなさそうな東郷先輩に、ムリヤリおみくじを引いてもらった。

「えっと、俺が42番で東郷先輩が8番…」

東郷先輩の分を渡して自分の紙を開く。

俺のおみくじには《小吉》と書かれていた。なんていうか……ものすごくリアクションのとりにくいやつだ。

「東郷先輩はどうでしたか?」

先輩が差し出してきた紙を読むと《大吉》の文字。

「すごい!いいなぁー」

病気は全快する、待ち人来たる…
良いことづくめだ。罰当たりな願い事したくせに…

「あ、でも恋愛はあまり良くないですね?遠慮のしすぎは誤解を生むって」

「別に遠慮なんかしてねぇよ…」

「そういえばそうですね」

「……お前はなんて書いてあるんだよ」

そういえばまだ読んでない。まぁ俺の運勢がどうだろうと東郷先輩から逃げられるわけじゃないし…

《恋愛‥流されず、自分の意見を持て》

「……エスパーですかね?」

「誰がだよ?」

「神様ってやっぱり俺のこと見てるんだなぁ」

「は?」

「いつもそばで見守ってくれてる……みたいな」

「じゃあそいつも死ね」

「いや、そういうことじゃ…」

目的を全て終えて、東郷先輩と来た道を戻った。とりあえず来れて良かったなぁ…

「お前はなんだったんだよ」

石畳の上を歩いていると東郷先輩が急に言い出した。

「何がですか?」

「願い事ってやつ」

「あぁ……健康とか、家内安全とか」

「欲張りだな」

「あとは東郷先輩と…」

「俺と?」

えっ。
さらっというつもりだったのに、東郷先輩が反応するから言いづらくなってしまった。

「俺と、なんだよ?」

東郷先輩は続きに期待してるのかこっちを見てる。
こんな状況で……言えるかっ!

「秘密です…」

「はぁ?なんでだよ」

「早く帰りましょうっ」

「……そうだな。もう一回セックスしてぇし」

「い、イヤです!今年は流されないことに決めましたから。小吉の神様のお告げですっ」

「俺は遠慮すんなって言われてんだよ。大吉の神様に」

「そんなの知るかぁっ!」


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