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もうちょっとメイクビリーブ

全く考えてなかった…

いやそもそも、あげる必要はあるのか?俺たち男同士だし。
でもこんな質問が来たってことはあげるべきなんだろう。
かと言って東郷先輩が欲しがってるとも限らないし…

部屋のカレンダーを見ると14日まであと1週間を切っていた。
悩んでいても始まらない。とりあえず困った時は黒坂先輩頼みだ!

******

「中谷、おはよー」

「黒坂先輩!おはようございます」

翌朝、ラッキーなことに一人でいる黒坂先輩に会えた。
俺は早速「質問がある」と持ちかける。

「バレンタインって……俺、東郷先輩に何かあげた方がいいと思いますか?」

黒坂先輩は俺の質問に目をぱちくりさせた。そんな意外だったかなぁ…

「どうした中谷!珍しいじゃん」

「いや、あの…」

「そりゃ中谷の自由だけど、あげたらめちゃめちゃ喜ぶと思うよー。リュウくん」

そうかな。そんなに喜んでくれるならあげても良いかも…
黒坂先輩にもそう言うと自分のことのように喜んでくれた。

「それが良いよ。何よりバレンタインはお返しがもらえるしね!中谷ちょっと車とかねだってみてよ」

「ねだりませんよ…」

教室で夏樹にもバレンタインの話をしたら、黒坂先輩と同じような反応だった。

「素敵ですね!東郷先輩きっと喜びますよ!」

「そ、そんなに?」

「間違いないです!」

やっぱりあげる方向で間違ってないらしい。

「ちゃんとしたお店で買った方がいいのかなぁ…」

「え?」

「コンビニで売ってるようなやつじゃまずいよね。やっぱり」

夏樹がキョトンとした顔で俺を見る。
なんか俺、変なこと言ったかな…

「……あの、チカラさん。せっかくですから手作りしたらどうでしょう?」

「え、手作り?」

そんなの面倒くさいじゃないか…
とか恋人に対して思っちゃダメだろうか。
夏樹が可愛い顔で一生懸命手作りを勧めてくるから仕方なく自分で作ることにした。

バレンタインって面倒なんだな。全国の女の子を尊敬する。
年に一回のペースで、いろんなお菓子を作って…

「……手作りかぁ」

チョコレートなんて作ったことないけど、上手くできなくても東郷先輩は食べてくれるんだろうか?

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あきゅろす。
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