もうちょっとメイクビリーブ
黒坂昴のおまけ
「あれっ、リュウくんがいる」
朝、教室に入ると久々に親友が席についていた。
中谷の看病とか言って数日休んでたのに。
「中谷治ったんだ?良かったねぇ」
隣に座るとリュウは嬉しいのか悲しいのか複雑な表情で「まぁな」と返した。
「やっぱり寂しい?治ったってことは家に帰っちゃったんでしょ」
「……別に、そんなことねぇよ」
「本当に?」
「……次に…」
「え?」
「いつ会うのか、決めときゃ良かった」
……何を言い出すんだ急に。
休んでる間に中谷となんかあったのかな?
「別にそんなの決めなくても、このあと昼休みに会えるじゃないですか」
「そりゃそうだけど」
「……リュウくん、中谷に『また明日』とかちゃんと言ってる?」
「はぁ?」
「『また明日』ってのが一番簡単かつ重要な次に会うための約束だよ。わかる?」
リュウは俺の言葉を聞いて黙りこくってしまった。
やっぱり中谷となんかあったんだろうなぁ…
「早く昼休みになるといいねっ」
「……うるせぇな」
リュウくんだって誰だって、みんな同じ。いつも会いたくなってから後悔するんだ。
『また明日』
リュウくん、言えるといいね。
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