もうちょっとメイクビリーブ
再び東郷リュウの章
「んっ、あぁ……あっ…」
「中谷……気持ち良いっ…」
「俺も、気持ち良いです……あんっ」
チカラが背中に手を回してぎゅっと抱きついてきた。
俺はそれに応えるように腰の動きを速めていく。
「せ、んぱっ……イくの……?」
「イってほしくないのか?」
チカラが慌てて首を振る。
我慢しようと思えばできるけど…
「イくぞ、中谷っ…」
「ふあぁっ……!」
思いきり射精しているとチカラが「出てる…」と小さく呟いた。
「中谷……?」
射精しおえて元に戻った性器を抜こうとするけど、チカラは俺の体を抱きしめたまま離さない。
「どうした?」
「……もうちょっと…」
「ん?」
「抜かないでください…」
「……かっ…」
可愛すぎる!!
どうやってそんな可愛い言葉を考えてるんだコイツは…
「中谷……愛してる…」
「は、恥ずかしいこと言わないでください…」
******
こうしてしばらくチカラと繋がったまま抱き合っていると、チカラが小さく呟いた。
「……うちに、連絡しなくちゃ…」
「帰るのか?」
チカラは当然だと言わんばかりに頷いた。
正直、かなりへこむ…
仕方なく性器を抜く。
チカラとの繋がりがなくなってしまったように感じた。
そうか、もうこんな生活は終わりなのか…
「中谷…」
「はい?」
チカラに服を着せてやりながら一応聞いてみた。
「本当に良いのか?さっきの話」
「……あぁ、一緒に住むって話ですか?」
チカラはなんでもないことのように頷いた。
どれだけ俺にとって嬉しいことを言ったのか、まるでわかってないんだろう。
「……本当に、いつか迎えに行くからな…」
念を押すようにそう言うと、チカラは何か考えるような表情をした。
「いつか…」
「ん?」
「いつかじゃなくて、今が良いですね」
「な……かた、に…」
チカラは俺の顔を見ると慌てて首を振った。
「いやっ、でもやっぱり今すぐはちょっとアレですけど!」
……そうか…
チカラも俺と同じ気持ちなんだろうか?
そう思えるだけで、今は幸せだ。
夜になって、とうとうチカラは家に帰っていった。
家の前まで送っていくと、チカラが頭を下げた。
「東郷先輩……本当にお世話になりました。先輩がいてくれて、良かったです」
「気にすんな……何があっても俺を呼べよ」
「はいはい!じゃあ、また明日っ」
『はいはい』じゃねぇよ!
と思った時にはもうチカラは手を振って家の中に入っていった。
チカラ…
やっぱりお前を愛してる。
『いつかじゃなくて、今が良いですね』
あんなに幸せな言葉をもらっても、離れた途端に会いたくてたまらない。
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