もうちょっとメイクビリーブ
再び中谷チカラの章
元に戻れることがわかって良かった。
100%確実ではないけど、今は東郷先輩の夢を信じるしかないよな。
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「……にゃ」
朝ごはんを食べ終えると東郷先輩が立ち上がった。
俺は急いでメモを書いて東郷先輩に見せる。
『次はお洗濯?俺も手伝います』
「……別にいい」
東郷先輩に素っ気なく返されてへこんだ。
それでもまた返事を書く。
『置いてもらってる身だし、なんかお手伝いしたいです』
「何もしなくていいから」
……ショックだ…
勝手に朝ごはん用意したのがいけなかったんだろうか?
でも俺は、東郷先輩が一緒にいてくれて嬉しいから、なんとか恩返しがしたくて…
「……中谷!?泣くのか?」
東郷先輩が慌てて頭を撫でようとしたから、俺はその手を振り払ってメモを書いた。
『なんでも良いから、お手伝いしたい』
「中谷……なんでそこまでこだわるんだよ?」
『だって、うちはお父さんとお母さんで家事分担してるし』
そう書いて見せると東郷先輩の表情が固まった。
なんか俺、変なこと書いたかな?
『東郷先輩?親の話イヤでしたか?』
と書くと東郷先輩は首を振った。
良かった…
「だってお前、そしたら俺とお前が…」
「にゃ?」
「……わかんねぇなら良い」
よくわからないけど怒ってるわけじゃないみたいだ。
結局、お洗濯を手伝うこともできた。
「……本当にもういいから。それよりお前、眠くねぇか?無理すんなよ」
『次は何すればいいですか?』って書いたメモを先輩が返してきた。
それじゃ俺がいたたまれないのに…
『本当にないですか?俺にしてほしいこととか』
掃除でも使い走りでもなんでもいいから、東郷先輩のために何かしてあげたい…
「……エロいことでも良いのか?」
「にゃっ!?」
東郷先輩は俺の服の裾を掴むと、ニヤリと笑った。
「してほしいこと言えば、なんでもしてくれるんだろ?」
「にゃ、にゃー…」
そういう意味で言ったんじゃないんだけど…
東郷先輩、なんか勘違いしてる。
「中谷……とりあえず、脱げよ」
やっぱり勘違いしてる!
だいたい、キスしたら元に戻れなくなるルールなんじゃ…
「あぁ、唇じゃなければお前のどこに何しようが大丈夫だから。早く……脱げ」
「……にゃ、にゃあ…」
こえぇ!
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