もうちょっとメイクビリーブ
中谷チカラの章
「猫ねぇ」
「猫ねぇ……じゃにゃいですよ!こんなんじゃもう、外に出れないじゃないですか…」
思わず自分のしっぽを撫でて溜め息をついた。
すると東郷先輩が俺の言葉にピクリと反応する。
「外に出れねぇってことはずっと俺ん家にいるってことか?俺は良い。大歓迎だ」
なっ……なに言ってるんだこの人。
物の優先順位ってのがあるだろう。
家にだって帰りたいし、学校も…
「あ、学校!先輩、そろそろ行かないと遅刻…」
「その姿で行くのか?」
「……じゃあ、先輩だけでも」
「お前を置いていけるわけねぇだろ?」
緊急事態だし、仕方ない。とりあえず夏樹に休むメールを入れておいた。
大丈夫かなぁ……まだまだ夏樹を狙う男は多いんじゃないか。俺もいなくて東郷先輩もいないとなったら、また襲われるかも…
「東郷先輩、黒坂先輩に連絡してもらえませんか?」
先輩は俺の考えを察してくれて、すぐ黒坂先輩に電話してくれた。
「……そういうわけだから。俺もチカラの風邪が治るまで休む。チカラの為に転校生のこと見張っとけよ」
見張るっていうか護衛してほしかったんだけど……黒坂先輩なら大丈夫か?
とりあえず一個問題が解決して良かった。
あとは人間に戻れる方法を…
「……どうやったら、元に戻れるんでしょう…」
基本的であまりに大きな問題だ。
病院に行ったってムダだろうし、もしかして俺は一生…
「中谷……泣くな」
「にゃ……な、泣かずにいれるかっ!」
東郷先輩を睨みつけると、先輩は俺の頭を優しく撫でてそのまま抱きしめてくれた。
「大丈夫だから、泣くな…」
「……だって…」
「お前は俺が一生守ってやる」
……うぅ、ちょっと嬉しい。
なんの根拠もないんだろうけど、そこまで堂々と言われたら安心する。
少しだけ体を離して東郷先輩を見つめると、ゆっくり顔が近づいてきた。
東郷先輩のキスは不思議と安心する。
「中谷……可愛い…」
先輩は頭を撫でつつ、俺の耳に触れてきた。
耳がピクッと動いたのが自分でもわかる。
「お前それ、可愛すぎる…」
「え?」
先輩がゆっくり俺の体を押し倒す。
いや、そんなことしてる場合じゃ…
「せ、先輩……やだ」
「もう我慢できねぇよ」
東郷先輩は耳を触りながら俺の服を脱がせてきた。
恥ずかしがる間もなく先輩の唇が俺の乳首に吸い付く。
「にゃあっ!あ、先輩…」
「……これ、感じてるんだろ?」
そう言って東郷先輩は俺の耳をツンツンとつついた。
確かに先輩の舌が乳首を優しくなぞるたびに耳がピクピク動いてしまう。
「うにゃ……あ、あぁんっ…」
あれ、なんかいつもより気持ち良いかも…
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