もうちょっとメイクビリーブ
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翌朝。
目が覚めると東郷先輩の腕にガッチリと抱かれていた。
「先輩……どいてください」
「ん……いやだ…」
いやだって言われても、困るのはこっちだ…
「東郷先輩っ」
「中谷……セックスしてぇ…」
「あ……朝から何を言ってんだアンタは!?」
どうにか東郷先輩を叩き起こして、朝の支度を始めた。先輩のせいで急ぐはめになったけど…
それなのに、東郷先輩は「浴衣のお前がエロいのが悪い」って謝ってくれなかった。
「そんなの理由になりませんから!」
「お前が思ってる以上にお前の浴衣姿はエロい」
頭おかしい…
それに、端から見たら東郷先輩の浴衣姿の方が断然色っぽいのに。
そんな感じでチェックアウトの時間になった。廊下に出ると夏樹と黒坂先輩も部屋を出たところだった。
「おはよー中谷。良い夜を過ごせた?」
「えっ!?な、なんのことですかっ」
「あぁ、今の反応でよくわかった」
は、はずかしすぎる…
そうか。どうあがいても黒坂先輩には全部見透かされてるんだよなぁ…
「おはようございますっチカラさん」
「夏樹、おはよ……大丈夫だった?黒坂先輩と一緒で」
「はいっ!とても優しかったですよ」
それなら良かった…
次こそは夏樹と二人で行きたいなぁ。
「夏樹っ今度は二人で…」
「中谷!お前やっぱり転校生と…」
あぁ…
やっぱりこの人がいる限り、そんなの無理かもしれない。
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