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もうちょっとメイクビリーブ
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夕飯は夏樹たちの分も俺たちの部屋に運んでもらって、四人で食べた。なんだかいつものお昼休みみたいで安心した。

「ご飯のあとは露天風呂ですね!楽しみですっ」

「俺も風呂楽しみだなぁー」

そういえばお風呂ちゃんと見てなかったな。ゆっくり浸かろう…

しばらくそんな談笑をしていると、急に黒坂先輩が立ち上がった。

「じゃあ、俺たちは部屋に戻るね。遊びに行ったりは一切しないから安心して」

「チカラさん、東郷先輩、おやすみなさい!」

「えっ、いや、夏樹っ…」

夏樹と黒坂先輩は仲良く隣の部屋に帰ってしまった。
いよいよ、東郷先輩と二人きりだ…
東郷先輩と二人なんてよくあることなのに、なんか緊張する。

東郷先輩は相変わらず無愛想な顔で俺を見てるだけだけど…

「先輩……お風呂、先に入りますか?」

「一緒に入るんじゃねぇのかよ」

えぇ……なんで逆ギレ口調なんだ。
「別々に入りましょうよ」というと、ものすごく睨まれた。

「ふざけんな。なんでお前が一枚向こうで裸になってんのに、黙って待ってなきゃいけねぇんだよ」

「だ、だって……今日はしないんですもんね?だから、一緒にお風呂とかも、やめておきません……?」

我ながら良い説得だ。
東郷先輩は舌打ちをして「わかった。その代わり寝る時は俺の布団で寝ろ」と言い出した。

「えぇー……それも…」

「何もしねぇんだからそれくらい良いだろ……文句あんのか?」

こ……怖い。

結局お風呂は俺が入った後に東郷先輩が入った。
どうでもいいけど東郷先輩の浴衣姿はあまりにカッコよくて数秒見とれてしまった。

そして東郷先輩は俺が何度結んでもほどける浴衣の紐を結び直してくれたかと思えば、「中谷は何しても可愛いんだな」と嫌味を言ってきた。
なんなんだこの人は。

そんなことをしてたら、23時をまわっていた。

「まだ寝るのには早いですよね……テレビでも観ますか?」

「いや、寝る。今すぐ寝る」

さっきの約束を思い出してため息をついた。同じ布団で寝るんだっけ…
まぁ何もされないならいいかなぁ?

「露天風呂、素敵でしたね……景色も良くて」

布団に入りながら言うと、東郷先輩もすぐ隣に来て布団に入る。

「見てねぇよ、景色なんか」

「あれ、そういえばすぐ出てきましたもんね……温泉、嫌いですか?」

「外で風呂に入る意味がわからねぇ」

それを言っちゃあ…
東郷先輩ホントに来たかったのかな。部屋から出ないし食事も特に美味しそうに食べてなかったし…

「今日、楽しかったですか?」
そう尋ねると、東郷先輩はサラリと返した。

「別に」

「……じゃあなんで来たんですか?」

「お前と一緒にいられるなら、楽しいとか楽しくないとかあんま関係ねぇ」

……ば……バカか!
思ってもみなかった返答に恥ずかしくなってきた俺は、東郷先輩とは反対方向を向いてそのまま横になって眠った。

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あきゅろす。
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