もうちょっとメイクビリーブ
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ところが、なかなか夏樹から返信が来ない。結局2限も始まってしまった。
お、怒ってるのかな…
夏樹はそんな奴じゃないってわかってるけど、どうしても不安になる。
やっぱり1通目で現代文のことも謝っておけばよかった。
怒ってるとまではいかなくても、困るだろうな。俺のせいで…
どうしよう。どうしよう。
夏樹に嫌われたかもと思ったら、泣きそうな気持ちになる。
なんで返信来ないんだろう…
「あ……東郷先輩にも連絡しなきゃ…」
携帯をもう一度手に取る。
東郷先輩に『体調が悪いので休みます』とメールして、ベッドに飛び込んだ。
東郷先輩に、会いたいなー…
俺お見舞い行ったことあるよな。
東郷先輩は来てくれないのかな…
……ダメだ。俺、頭痛で頭おかしくなってる。
別に来てほしくないし!!
それに、体が辛い時だけ東郷先輩を頼るってのは、なんか嫌だな…
やばい……また吐きそう。
夏樹から返信来ないな……東郷先輩は送ったばっかだから良いけど、夏樹は結構経ってるのに…
俺はまた何十分か、トイレに籠もった。
気持ち悪い。頭が割れそう。
それでも頭を占めてるのは、『夏樹に嫌われたかも』という不安だけだった。
「が、学校……行かなきゃ…」
やっぱり午後から、学校に行こう。
トイレから出て、学校に行く支度を始めた。汗をかいてるし、顔色もひどい。これじゃ授業は出られないけど、せめて現代文の教科書を夏樹に…
朦朧とする意識の中で、なんとか玄関を開けて外に出る。歩きだして学校に行かなきゃいけないのに、足が震える。
結局俺は玄関の前にしゃがみこんだ。
なんで俺、こんなに弱いんだろう。いっつも誰かに迷惑かけてばっかりだ。
だから、嫌われちゃうのかな…
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