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ショート*ストーリー
..
「あっ……やぁん、あぁっ」

「朔ちゃん……バレても知らないよ?」
祈は楽しそうに言う。
わかってる、もし誰かに見つかったら……誰かに、聞こえてたら。
わかってるのに、ダメなのにっ……!!

「……あっ…」
祈の動きが止まった。
本棚の向こうで足音がしたからだ。
まさか、俺たちには気づいてないとは思うけど…

「……祈?」

「ふっ……あんま、でけぇ声出すなよ?朔…」

「や、あぁっ!!」

急に祈が先端を刺激してくる。
祈だって足音には気付いているはずだ。
それなのに、なんでこんな…

「あっ……ダメだって、祈……人が、いるのっ……!!」

声を抑えながらなんとかそう伝えたけど、祈は「だから、声出すなって」と笑うだけ。

「いの、り……あっ…」

「すぐそこに人がいんのに、こんなに喘ぐなんて……朔はホント淫乱だよな」

「ち、がうっ……あ、んっ」

「何がちげぇんだよ?ほら、こんなに硬くしてるくせに」

祈はしごく手を休めないどころか、だんだん早めてきた。
こんなの、我慢できるわけない…

「……朔ちゃん?どうしたの?」

「もっ……イキそうっ…」

人がいるのはわかってるけど、もう限界だ。早く、出したい…
しばらくすると、祈の息が頭にかかった。
「あっそ……じゃあ、イけば?」

「あ、ダメ……あ、い、イくっ……!!」

俺は祈の手に白濁液をぶちまけた。





「最っ低、頭おかしい…」

家に帰って冷静になると、自分がされたことの異常さに寒気がした。あんな公衆の面前で、アイツ本当バカ!
もう絶っ対アイツとはヤらないぞ…

「決めたからなぁっ!!」

「さ、く?」

「うおっ!?」
振り向くと、兄貴の姿。独り言聞かれた…

「ただーい、ま」

「あぁ……どうも」
兄貴はすました顔で自室に入る。
あれ、ノゾミくんは一緒じゃないの?
珍しいな…

結局進まなかった課題に取り組んでいると、家の電話が鳴った。
時間的に、ノゾミくんだな。
そろそろ本気で兄貴に携帯買わせないと…

「もしもーし」

「あ、朔くん。紺いる?」

「いるよー今呼んでくるから待ってて」

電話はやっぱりノゾミくんだった。
兄貴の部屋をノックして「ノゾミくんから電話だよ」と伝えてやる。

ところが兄貴から返ってきたのは「眠いから出たくない」という今までにない答えだった。

「兄貴とケンカでもしたの?」

「え……紺、怒ってた?」

「わかんないけどさー、眠いから出たくないってよ?」
ノゾミくんは黙ってしまった。なんか心当たりでもあんのかな。

「あ、ありがとう。じゃあ朔くん、おやすみ」

ノゾミくん、落ち込んでるっぽかったなぁ。
男同士のカップルってどんなことでケンカすんだろ?想像できないんだけど。

……まぁ、俺も祈とヤってるからそこまで他人事じゃないけどさ。

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