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ショート*ストーリー
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『俺も兄ちゃんと同じヤツ、欲しい』
これが幼い頃の、俺の口癖。

オモチャでも文房具でも、兄貴が持ってるものはなんだって欲しかった。

この口癖を聞く度、父さんはいつも呆れながら同じ物を買ってくれた。

ちなみにそれを見た時の兄貴の反応は『あ、それ俺も持ってるー…』

要するに、俺は張り合いのない兄貴と何故か張り合っていたのである。



「つまらん……放課後うちにいるの久々だ…」

まぁ、そんなんは昔の話で。
高校生になった俺は兄貴なんかよりも夢中になることがたくさんある。

遊びとかね、遊びとか…
遊びは楽しい。

今日は誰にも誘われなかったから、こうして一人リビングでテレビ観てる。

「ただいー……ま」

高3になった兄貴も健在。
相変わらずボーっとしてる。『ただいま』も上手く言えないくせに頭だけは良い。
今は県内の進学校に通ってる。

「お、お邪魔しますっ」

あ、ノゾミくんだ。
ノゾミくんは兄貴の友達で、よくうちに来る。押しに弱そうで人が良さそうで…
俺は怪しい壺を売る職業に就いたら、まずノゾミくんを狙おうと決めてる。

ちゃんと喋ったことないけどね。

「あ、朔くんこんにちは」

ノゾミくんは俺に気付くと手を振って挨拶してきた。

「あーどうもー」

「朔……俺、ノゾミといるから……二階、来ないで、ね」

兄貴はそう言ってノゾミくんと階段を上がっていった。
2人どんな会話してんのかな……ツッコミいなくね?

兄貴はどこか抜けてる変人だから、こんな仲のいい友達ができるなんて今までなかった。
しかも、あんな、キングオブお人好し…
初めて家に連れてきた時はびっくりしたもんだ。

まぁ、どうでも良いけど…
つーか暇ー…

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あきゅろす。
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