ショート*ストーリー
∞
「……っていう夢を見てたらね、そりゃ寝言も出ちゃうよね…」
「見んな、そんな夢!!」
今、俺の顔に綺麗なおみ足を乗せているこの美少年は、綾瀬玲。
俺の同居人さまである。
ちなみに、俺は湯島湊。それなりに大学1年生。玲の恋人最有力候補やってます!!
あ、更に今の状況を説明すると
リビングでうたた寝してた俺
→呆れつつ見守ってくれてた玲
→寝言で「玲、エロい」発言
→顔面キック
っていう、そういうこと。
夢オチってやつだよね!!みんなも薄々感づいてたでしょ?
「お前いつも俺を起こす時そんな妄想してんのか……?」
「いやあの、いつもじゃ、ないけど…」
奇妙な関係だと、自分でも思う。
玲のことが大好きな俺と、『その気持ちには応えられない』と言いつつ俺との同居を続けてくれてる玲。
玲は最近、やっと俺のことを恋愛対象として見てくれるようになったんだけど、俺への気持ちは一向に教えてくれない。
もうそろそろ、前進しててもいいような…
「……玲は、さぁ」
「あぁ?」
「まだ俺と付き合うとか、考えられない?」
玲は俺の質問に少し驚いた後、難しい顔で考えこんだ。
うわ、超ドキドキする!!
「考えられないっつーか…」
「う、うん」
つーか何?
『今まで言えなかっただけで、俺は湊と付き合いたいよ…』
『玲……じゃあ』
『うん……湊が、好き…』
とかそういう展開!?
え、さっきの正夢になっちゃうんじゃ!?
「女とヤりたい夢を捨てきれねぇ」
ところが、玲の答えはなんとも安直でシュールなものだった。
「そ……そんな理由!?」
「いや大事だろ。付き合うことになったら浮気は絶対したくねぇし…」
あ……相変わらず男らしくてかっこいい!!
けど、そんな理由ってないよ…
「お……女の子とヤるのなんて、俺と付き合った後でいいじゃん!!」
「お前と……付き合って、別れた後?」
「いやだ!!別れたくない!!」
「まだ付き合うとも言ってねーよ!!」
最近玲は真っ正面から腹を狙って蹴ってくる。
本気でいつか内臓吐く気がする…
「げほっ……と、とにかく……その夢はいったん置いといて、試しに俺と付き合ってみようよ!!」
痛みをこらえて玲に熱弁する。
すると玲はため息をついて口を開いた。
「……そうだな。考えといてやるよ」
……え!?
「本当に!?」
「試しにだろ?」
そうだけど……そうなんだけど!!
き、急展開だ……!!
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