ショート*ストーリー
☆
「や、やっぱり男は無理……?」
おそるおそる尋ねると、玲はため息をついた。
「別に男は嫌じゃねぇけど……お前のこと恋愛対象として見るのが面倒くさいっつーか。生活しづらくなるし」
「ひ……ひどい!!俺、告白したのにっ…」
男同士も有りってのは朗報だけど、俺ずっと恋愛対象外だったんだ!!
玲の一言にいろいろ一喜一憂してたのも全部勘違いだったんだな…
「あー……じゃあ今から見る」
「本当に!?今から俺、玲の恋人候補ね!?よーいどん!!」
パチンと手を叩くと、玲は呆れ笑いをして宣言通り俺を見た。
「……なっさけねぇツラ…」
玲……今度また聞くからね?
『可能性はどれくらい』って、聞くからね?
その時はもっと、増えてるといいな。
女々しい言葉遣いも、少しずつ直すから…
そんなことを考えながら玲と見つめ合ってたら、自然に顔を近づけてた。
「……あ」
やべ……今、キス、した……かも。
「……て、めぇ……誰がキスして良いっつった!?」
「ご、ごめんっ!!あまりに顔が近かったから…」
「やっぱりお前とはぜってぇ付き合わねぇ!!」
……や……やってしまった。
「玲!!ごめんなさい!!」
「近寄んなクズ!!」
玲は怒ってすたすたと俺の部屋を出ていった……と思ったら、ひょっこり顔だけ出してこう付け加えた。
「……ちゃんとした誕生日プレゼント、考えとけよ」
「……玲、大好きっ!!」
やっぱり俺の玲は優しい!!
なんだかんだ言って玲の誕生日で、俺たち進展したんじゃないの?
俺の片想いはまだまだ始まったばかり。でもゴールもすぐそこだよね!?
来年の誕生日は、絶対一緒に過ごすんだもんねっ!!
「男が『だもん』とか使うんじゃねー!!」
「だ、だって…」
「だっても言うな!!」
「でも、言っちゃうんだもん……あ」
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