ショート*ストーリー
☆
「つーか……お前の誕生日はいつなんだよ?」
玲の突然の質問にきょとんとした。
「俺?うーんと……いつだったかなぁ」
忘れてしまった。自分のって案外覚えないもんだな。
「思い出しとけよ……何が欲しい?」
「え!?……玲、良いの……?そんなアブノーマルな…」
「何を想像したんだお前は!?」
至近距離で殴られると本当に痛い。嬉しいから良いけど…
玲に『常識はずれの物は禁止』と言われて、俺は一生懸命考えた。
玲のくれるものならなんだって嬉しいけど、そう言われても玲困るだろうし。
かと言ってエロ系は禁止。
うーん……もう選択肢ないような。
……あ。
そうだ!!今こそこれを言う時じゃん!!
すっかり忘れてた。
「あの、じゃあ……誕生日に玲の気持ち、教えてほしい」
玲は「はぁ?」と言って眉をひそめた。
「だからね、俺のことどう思ってるとか……可能性はどれくらいとか……どこが好きとか、どこが嫌いとか、何でもいいから…」
……だ、ダメかな。
でも今の一番の願いはこれだし…
しばらく押し黙っていた玲だったけど、やがてゆっくり口を開いた。
「……お前はすぐ調子乗るしいちいちうるさい奴だけど、友達としてはそこまで嫌いじゃねぇ」
玲…
どうしよう。俺まだ誕生日じゃないのに、こんな嬉しい言葉もらっていいのかな。
「毎日旨いメシ作ってることは感謝してるし……尊敬してる。ただお前の女々しいとこはマジでイライラする」
後半の言葉が胸に突き刺さった。
相当俺のこと『女々しい』って思ってんだな。俺は普通にしてるつもりなんだけど…
「あとなんだ……可能性?0.01%くらいじゃねーの」
……低い!!低すぎる!!
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