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ショート*ストーリー

「俺は玲の恋人失格だぁ…」

「待て待て、お前は元々恋人でもなんでもないだろう」

赤坂の冷静なツッコミは胸にグサッとくる。
結局、玲の誕生日に俺はなんもしてやれなかった。今、玲の中では絶対日比谷の方がポイント高いだろうな。

「なんでこうなっちゃったんだろ…」

「なんでだろうなぁ」

まるで興味なさそうだな…
ちょっとは慰めてくれたって良いのに。
ていうか赤坂メールとか打ち始めちゃったし!!

「授業中に、いけないんだー…」

「授業中に恋愛相談しといて言うか?」

赤坂は楽しそうに笑う。
まぁ、そうだけどさ。

「だってさぁ、プレゼント用意してケーキ用意して、俺なかなか頑張ったんだよ?」

「うん、偉いな」

「今そのプレゼントは玲の目に触れることなくタンスの引き出しに眠っているのです…」

「めでたしめでたし」

……赤坂…
たまに玲より残酷な時あるよな…



「ただいまぁ…」

落ち込む気持ちを抱えたまま帰宅した。
あれ、玲がいない…
今日バイトじゃないよね?急に代わってほしいって頼まれたのかな。
今日も日比谷と一緒に働いてんのかな。
あー玲を養ってあげられるようなお金持ちになりたい…

「……って、玲!?」

「うるせぇな、相変わらず…」

「ごめん……じゃなくて、なんで俺の部屋にいんの?」

玲は我が物顔で俺の部屋に居座ってる。いや別に良いんだけど……なんで?

玲は俺の問いに胡坐をかいたまま答えた。

「どっかのバカが渡しそびれたプレゼントを貰いに来たんだよ」

そう言って玲が掲げたのは…
「あ、俺が買った……!!」
そう。俺が買った玲へのプレゼント。なんで玲が知ってんの?

「赤坂からメールで聞いたんだよ」

赤坂ぁ!?
慌てて玲の携帯を貸してもらうと、確かに今日俺が愚痴った内容のメール。
ケーキも用意してたことも、タンスの引き出しに隠したことも、全て書かれていた。

赤坂……熱心に携帯いじってると思ったら、そういうことだったのか!!

情けないような恥ずかしいような、複雑な気分。
一生玲には知られまいと思ってたんだけどな…

「湊……ごめんな。俺、なんも知らねぇで……お前の気持ち踏みにじるような真似して。本当に悪かった」

「玲…」

かっこよすぎる…
この、筋はちゃんと通す男らしいところが好き!!

「湊?」
無反応の俺に玲が心配そうに声をかける。

「……許してあげる代わりに……仲直りのキス…」

「生き埋めにすんぞ?」

あ、やっぱり。

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あきゅろす。
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